研究課題/領域番号 |
22K10387
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
近藤 悠希 熊本大学, 大学院生命科学研究部(薬), 准教授 (90721879)
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研究分担者 |
石塚 洋一 熊本大学, 大学院生命科学研究部(薬), 教授 (70423655)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 薬剤性肝障害 / 薬物間相互作用 / アセトアミノフェン |
研究実績の概要 |
薬剤性腎障害および薬剤性肝障害(薬剤性腎障害・肝障害)は頻度が高く、かつ死に至ることも珍しくない、重篤な薬物有害反応である。また、薬剤性腎障害・肝障害は、発症後に臓器機能が未回復となる症例が少なくないことから、薬剤性腎障害・肝障害の発症自体を抑制する新しい回避方法や予防手段の開発は、臨床上の喫急の課題である。これまで世界中で様々な臨床研究・基礎研究が行われてきたが、その一方で、薬剤性腎障害・肝障害は年々増加の一途を辿っており、その対策は進んでいるとは言い難い。 薬剤性腎障害・肝障害も含め、薬物間相互作用は薬物有害反応の代表的な危険因子の一つであり、原因薬剤と併用薬間での薬物間相互作用が薬剤性腎障害・肝障害と関連することはこれまで報告されてきた。しかし、その一方で、薬物間相互作用の組み合わせは膨大な数に上り、その検証は十分に行われてはいないのが現状である。そこで本研究では、医療情報解析と細胞や実験動物による基礎研究を組み合わせたハイブリッドスクリーニングにより、薬剤性臓器障害と薬物間相互作用についての検証を実施する。 令和4年度は、医療情報データベースを用いて、薬剤性腎障害・肝障害の発現に関与すると考えられる薬物間相互作用候補についての検討を行った。その結果、本邦の薬剤有害事象自発報告データベースの網羅的解析により、アセトアミノフェン肝障害との関連が疑われる薬物間相互作用の薬剤候補をいくつか見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和年度は本邦の薬剤有害事象自発報告データベースを用いた薬剤性臓器障害の検討を行い、当初の予定どおり、アセトアミノフェン肝障害と関連する薬物間相互作用の原因薬剤候補を複数見出すことが出来た。以上の結果より、概ね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
前年度までに知見に基づいて、基礎実験のアセトアミノフェン肝障害モデルを用いて、薬物間相互作用による肝障害悪化についての検討を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度以降の購入を検討している実験物品等の購入に時間がかかり、次年度使用学が生じた。
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