研究課題/領域番号 |
22K10400
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
高橋 敬子 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (50309449)
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研究分担者 |
巳波 弘佳 関西学院大学, 工学部, 教授 (40351738)
江口 明世 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (90594763)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | CBR matrix / 社会的処方 / 社会資源 / 慢性循環器疾患 |
研究実績の概要 |
2022年度に制作したプロトタイプアプリを用いて患者データ収集を中心に研究を遂行している。原文は英語のmatrixであるため、本研究では患者が理解しやすいように項目や要素別別の質問文言を制作し患者自身での入力を試みたところ、理解しやすい質問であることを確認できた。また患者のデータ入力には本科研費で購入したタブレットを用いてデータ入力を実施している。 初回作成のアプリでは単に質問入力結果の表示のみであったため、患者医療者ともに印象の薄いものであった。そこで①社会とのつながりの強化②視覚的印象の改善の2点を中心にアプリで表示される画面の改善を行った。 ①では地域差による漸弱な健康社会決定因子(SHD)の特性の検討のため、対象患者を兵庫医科大学病院(西宮市)とささやま医療センター(丹波篠山市)に拡大し地域差の比較検討が可能な工夫をしている。次に患者の居住地域(最寄りの駅やバス停)や日常必需品入手方法など、地域や社会の中で置かれた立場と、CBR matrixで得た脆弱なSDHがともに可視化できる工夫をおこなった。②ではタブレット画面に表示されるCBR matrixは脆弱なSDHが容易に可視化できるように色調濃淡で表示され、「色の薄いmatrix」が脆弱な可能性がある要素として示されている。その結果、患者も医療者も供に理解しやすい共通認識ツールとして使用できる可能性が高まっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究はおおむね計画通りに遂行できている。現状では論文や学会発表は行っていないが、2024年度には学会の予定があり、引き続き論文執筆に取り組む予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2年間で予定していたアプリはほぼ完成している。最終年度では脆弱なSDHと患者背景などの集計や分析を行い学会や論文で発表し、将来の社会で活用を促す活動を考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
2022-2023年度はコロナ禍による渡航制限や移動制限、および、感染症対策による臨床医としての院内業務等で、対面による研究会議や講師招聘の研究会議開催ができなかったため、これに係る経費の遂行が不要であった。しかしながら2024年度は研究会議や国内外の学会参加かつづを再開したく、研究会議で使用するためのプロジェクターモニターの購入。国際学会参加のための旅費。研究会議の講師謝礼、および統計ソフトの購入を検討している。
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