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2022 年度 実施状況報告書

クリニカルパスと診療記録を用いたLHSの実践と臨床応用評価

研究課題

研究課題/領域番号 22K10416
研究機関九州大学

研究代表者

山下 貴範  九州大学, 大学病院, 講師 (00807381)

研究分担者 野原 康伸  熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 特任准教授 (30624829)
中島 直樹  九州大学, 大学病院, 教授 (60325529)
伊豆倉 理江子  九州大学, 医学研究院, 学術研究員 (80805292)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワードクリニカルパス / 診療テキスト / DPCファイル / BERT
研究実績の概要

リアルワールドデータのデータ源である電子カルテには、診療の重要情報が時間軸を追って記録されるものの、二次利活用時には診療目的・診療行為・患者状態の推移などの診療イベント間の関連や診療プロセスの把握は困難である。信頼のある解析結果を得るためには診療プロセスデータを効率よく収集し解析する必要があるが、それにはデータの構造化と標準化が必要である。本研究では、患者状態を含むデータとして診療テキストと、標準医療データのクリニカルパスとDPCファイルを対象として解析し、患者状態としてのデータ構造化と標準化を行い、臨床課題に対する診療プロセス解析を実施する。さらに、その解析結果をクリニカルパスを用いて医療現場へ還元し、その効果を確認する医療の継続的な改善サイクルのLearning Health Systemの実践を目的としている。
2022年度は、診療データを解析するための環境構築を中心に実施した。電子カルテシステム内に蓄積した診療テキストとクリニカルパス、DPCファイルのデータを出力し、データ構造やデータ属性について確認した。特にクリニカルパスは先行研究(2018ー2020年度のAMED事業)で構築した基盤にはクリニカルパスとDPCが格納されているため、連携を確認した。診療テキストの解析基盤として自然言語処理タスクで高い精度を示しているBERT(Bidirectional Encoder Representations from Transformers)の環境構築について整備を行なっている。
2023年度に予定している機械学習を用いた解析に向けて、解析環境を構築し解析手法を開発し、可能な範囲のデータでプレ解析を実施した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

診療テキスト、クリニカルパスとDPCファイルのそれぞれのデータを対象としているが、診療報酬改定に伴うDPCファイルの変更などがありデータ構造の確認に時間を要した。
データ構造の確認が遅れたためBERTモデルの構築について影響が出ており、患者状態の項目と診療テキストの患者状態モデルの紐付けについて対応が遅れているが、次年度にリカバリができる範囲である。
一方で2023年度に予定している機械学習の解析環境の構築と解析手法の開発を行い、試験的に解析を先行している。

今後の研究の推進方策

BERTを用いて診療テキストとクリニカルパス、DPCファイルの患者状態の患者状態コーパスを作成する。
患者状態コーパスにより、より精緻的な解析ができる。
高度な機械学習を用いて、臨床課題(課題例:長期在院、DPC出来高上位、合併症など)に対する特徴因子を抽出し、クリニカルパスの改定案を作成し、現場へフィードバックすることで医療の質向上につながる。

次年度使用額が生じた理由

国内外の学会参加費に計上するため。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] ePathの成果と現在の活動について2022

    • 著者名/発表者名
      山下貴範
    • 雑誌名

      医療情報学(第42回医療情報学連合大会論文集)

      巻: 42 ページ: 286

  • [雑誌論文] ePath における取組みと普及に向けた展望2022

    • 著者名/発表者名
      山下貴範、中熊英貴、嶋田 元、松本崇志、野原康伸、中島直樹、副島秀久
    • 雑誌名

      医療情報学(第42回医療情報学連合大会論文集)

      巻: 42 ページ: 283-288

  • [学会発表] 働き方改革におけるクリニカルパスの活用~看護師の立場から~2022

    • 著者名/発表者名
      荒木千恵子、北村佳代子、山下貴範、中島直樹
    • 学会等名
      第87回日本循環器学会学術集会
  • [学会発表] 標準クリニカルパス「ePath」を用いた、バリアンス要因の分析2022

    • 著者名/発表者名
      中井真也、山下貴範、中島直樹
    • 学会等名
      第22回日本クリニカルパス学会学術集会
  • [学会発表] 医療DX化に向けた理想の電子カルテとは2022

    • 著者名/発表者名
      山下貴範, 中島直樹
    • 学会等名
      日本医療情報学会九州・沖縄支部会2022年度秋期研究会

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公開日: 2023-12-25  

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