研究課題/領域番号 |
22K10427
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研究機関 | 新潟医療福祉大学 |
研究代表者 |
塚本 康子 新潟医療福祉大学, その他部局等, 研究員 (60310554)
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研究分担者 |
岩野 千尋 新潟医療福祉大学, 看護学部, 助教 (30839353)
下山 博子 新潟医療福祉大学, 看護学部, 教授 (60434461)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | がんサバイバー / 地域で生活する高齢者 / ヘルスリテラシー / エンパワメント / リソース・モデル |
研究実績の概要 |
地域で生活する高齢者とがんサバイバーのヘルスリテラシーの実態を明らかにし、安心して生活していくためのリソース・モデルの開発と情報提供への示唆を得ることを目的に、Webによるアンケート調査を実施した。対象は、調査会社にモニター登録している全国65~99歳の男女で、実施は2023年11月。 1) 地域で生活する高齢者については属性、健康状態、情報入手方法、家族からの支援、ヘルスリテラシー尺度(CCHL)について分析。記述統計、CCHL得点の比較にはt検定、一元配置分散分析、多重比較(Tukey HSD)を用いた。結果は、男性2,081人、女性1,029人、平均年齢70.5±4.43歳。CCHL得点は年代が上がるほど高かった。使用している機器は、スマートフォン94.6%、パソコン60.7%。新聞を読む人、既往歴がある人はCCHL得点が高かった。対象者は日常的に電子機器を用いてWeb検索やSNSを活用していた。 2) 高齢がんサバイバーについても同様の方法でWeb調査した。対象者は524人、男性364人、女性160人、平均年齢は71.7±4.9歳。治療終了後から10年以上経過している人は254人で約半数を占めた。殆どの人がスマートフォン、パソコンなどの機器で情報検索していた。健康・医療・福祉に関する情報入手の満足度は、「まあまあ入手出来ている」75.6%と高く、「十分入手出来ている」と合わせて81.7%であった。もっとも情報を得ているツールはテレビ26.6%、インターネット25.0%、新聞16.8%でメディアが上位を占めた。がんサバイバーはがん体験のない人よりヘルスリテラシーは高く、既往歴の有無、社会活動への参加、最終学歴、現在の健康状態の認識、情報入手の程度などがヘルスリテラシーに影響しているものと思われた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和4年度に実施する予定であったアンケート調査は、所属大学の倫理審査委員会に受審し、承認を得た後に令和5年度に実施した。現在は調査結果の読み取りと分析を進めている。これから二つの学会発表を予定しており、おおむね順調に進んでいる。日本看護科学学会及び日本がん看護学会で発表する予定である。調査結果を受けて作成するリソース・モデルの実践と評価は令和6年度に実施する。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度はアンケート調査結果を学会発表する予定で、現在は結果の分析を進めている。研究分担者・研究協力者とは定期的に会議を開催している。地域で生活する高齢者のヘルスリテラシーに関する研究は、すでに日本看護科学学会に演題登録し、12月に学会発表をする予定。がんサバイバーのヘルスリテラシーとエンパワメントに関する研究は、日本がん看護学会に演題登録する予定である。これらの分析結果から、地域で生活するがんサバイバーがより安心して生活するためのリソース・モデルを作成し、実施・評価していく計画である。
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次年度使用額が生じた理由 |
情報収集・資料収集のために学会参加を計画したが、コロナウィルス感染予防のためにWeb参加したため旅費の使用がなかったこと、高齢がんサバイバーに対するリソース・モデルの実施は令和6年度としたため約22万円の次年度使用額が生じている。高齢がんサバイバーに対するリソース・モデルの実施と評価を令和6年度に予定しているため、学会発表、リソース・モデルの実施費用として使用していく。
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