研究課題/領域番号 |
22K10428
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研究機関 | 聖隷クリストファー大学 |
研究代表者 |
泉 良太 聖隷クリストファー大学, リハビリテーション学部, 教授 (80436980)
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研究分担者 |
能登 真一 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 教授 (00339954)
佐野 哲也 聖隷クリストファー大学, リハビリテーション学部, 助教 (00436982)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | ナッジ / 健康関連QOL / リハビリテーション / 医療経済学 / 効用値尺度 |
研究実績の概要 |
今年度は58名のデータを分析した.対象は58名(女性32名),年齢76.8±10.4歳,初期評価から再評価までは29.7±6.1日であった.疾患については,脳血管疾患等が29名,運動器が29名であった.初期評価と再評価の比較では(初期評価/再評価),EQ-5D-5Lは,(0.44±0.27/0.63±0.29),FIM合計は,(59.2±25.4点/79.3±33.5点)であり,有意に向上した(p<0.01).使用したナッジの平均項目数は4.7±1.6個,使用の有無は11項目で各10~45個の範囲であった.EASTの4方針での使用頻度については有意な偏りがあり,Eの使用頻度が最も多かった(p<0.01).使用したナッジの平均項目数とQOL値の増分の相関については,有意な相関は認められなかった(r=0.50,p=0.09).疾患別に分析すると,使用したナッジの平均項目数は4.4/5.1個(脳血管/運動器),使用の割合で50%を超えた項目は,脳血管ではEの「メッセージの単純化」が75.9%,運動器ではEの「面倒な要因の減少」が55.2%,「メッセージの単純化」が79.3%,Aの「動機付け設定を行っている」が62.1%,Tの「事前に対処行動を決めるように促している」が62.1%であった.上記より,回復期リハビリテーション病棟では,EASTのすべての項目が使用されており,疾患により,ナッジの使用状況が異なることが明らかになった.使用頻度については,メッセージの単純化が多く,特に,専門職対一般の方という,専門分野特有のものであり,多くのOTが使用しているものと考えられる.また,使用したナッジの平均項目数とQOL値の増分の相関については有意ではなかったため,ナッジの使用数ではなく,適切なナッジを選択して使用することの重要性が示唆された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
分析は58例であるが,初期評価が完了したデータ数は,200を超えたため,6月までには,目標の280例に到達予定である.分析済みの58例については,国内学会および国際学会で発表予定である.
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今後の研究の推進方策 |
引き続き6月までデータ収集を実施し,7月からはデータ入力・分析を実施し,論文を作成する.
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次年度使用額が生じた理由 |
2023年度は,データ提供料の支出がなく,学会発表が次年度となったため,残額が生じた. 2024年度は,データ提供料の支出,学会発表および論文作成に必要な経費に使用する予定である.
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