研究課題/領域番号 |
22K10430
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
駒澤 伸泰 香川大学, 医学部, 特命教授 (20529226)
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研究分担者 |
寺崎 文生 大阪医科薬科大学, その他部局等, 功労教授 (20236988)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 人工知能 / シミュレーション / VR / 多職種連携 |
研究実績の概要 |
多職種連携教育(IPE)に関する教育シナリオの情報収集を行い、IPEにおいて最も必要性が高いとされる各領域(心肺蘇生、院内急変対応、周術期管理、鎮静 管理、緩和医療、災害対応など)IPEにおける学習目標や施行方法に関するデータベースを前年度のものからさらに増大させた。教育シナリオは上記の情報収集を終えた後、研究分担者の協力を得ながらさらなえる改善を行った。 VRシミュレーションの内容に関しては、VR臨床医学領域は研究分担者である寺﨑の協力を得ながら、学内外の教育専門家と協力しながら、基礎VR作成を試みた。 しかし、VRの稼働に関しては、動作システム的な課題を発見したため、情報管理専門研究者にコンサルテーションを行った。AIシミュレーションとVRの連結性にさらなる課題が明らかになった。 さらに、AIシミュレーションに関する課題を明らかにしつつも学修者サイドがどのような学修姿勢を有しているかや、どのような姿勢でVRに臨むべきかということに関しても基礎的な調査を行った。現在の医学生が デジタル機器を多く使用し、筆記などの作業を行う機会が減少していることや、グループ学修の機会が減少していることが示唆された。医学生だけでなく 看護学部や薬学部等の学修準備性評価も開始ししており、現在解析中である。AIシミュレーションの多職種連携に関する試行へ向けて現在の医療系学生の学修準備性を検証することで今後の非集合型IPEにおいてもその学修 スタイルを十分に考慮し、教育システムを構築していくことの大切さが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
香川大学への施設異動があったことや、香川大学医学部の講義棟改修の影響で機材使用制限があったこと、そしてVR初期作成上の課題が発見され、修正に時間を要したため。
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今後の研究の推進方策 |
VRシミュレーションにおいては、高度情報処理能力と分析予測能を備えたAI機能を併設させる。AI機能は高容量CPUを有するGUIツール(Graphical User Interface)を導入することで、研究代表者もプログラミングを行う予定である。医療面接に関してAI機能を併用したVRシミュレーションシナリオ作成は既に開始しているが、医療面接における質問の抑揚部分の有無に対するレスポンスに若干の改善を要するが、AI機能の情報量拡大により、さらなる改良を試みる。そして非集合型VRシミュレーションを活用したIPE初期評価とフィードバックを行う。非集合型VRシミュレーションを活用したIPEに関して、大学内の卒前および卒後のIPEで「試行」し、構築したシステムの「検証」を行う。卒前教育では医療面接VRシミュレーションでは医学部生、看護学部生、臨床心理学科生40名ずつを対象とする。教育施行後は、参加者からフィードバックをもらう。初期の効果検証は、IPEの学習指標であるIEPS (Interdisciplinary Education Perception Scale)を用いて量的に解析する。さらに、質的解析として、医療面接・心肺蘇生シミュレーション共にレポートに対するテキストマイニングを行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
成果発表のための旅費および論文出版のための費用が増加する見込みである。
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