研究課題/領域番号 |
22K10432
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研究機関 | 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所) |
研究代表者 |
井藤 佳恵 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究部長 (30455836)
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研究分担者 |
菊地 和則 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (00271560)
扇澤 史子 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 技術員 (10939169)
古田 光 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (50401328)
山下 真里 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (80848424)
枝広 あや子 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (90433945)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 多職種連携 / 認知症 / 地域包括ケアシステム / 教育 / 認知症サポート医 |
研究実績の概要 |
初年度は、困難事例への対応において、地域の認知症支援システムに関わる専門職が、認知症サポート医に期待する役割を明らかにすることを目的とした研究をおこなった。日本語論文として発表し、日本老年医学雑誌に受理された(2023年4月現在印刷中) 方法:対象は、2021年4月から2022年3月の期間に東京都健康長寿医療センター認知症支援推進センターおよび認知症疾患医療センターが主催した、地域の認知症支援システムに関わる専門職を対象とした研修の受講者1173人である。郵送による自記式アンケート調査を実施し、調査項目には、基本属性、困難事例対応の際の相談・連携先、相談・連携先に期待する役割と相談・連携内容、困難事象の経験を含めた。 結果: 578人から有効票を回収し、有効回収率は49.3%であった。認知症サポート医は、かかりつけ医、地域包括支援センター職員、行政機関職員から、認知症の診断と困難事例対応の全般的助言を期待され、かかりつけ医からはさらに抗認知症薬による薬物療法とBehavioral and Psychological Symptoms of Dementia: BPSDに対する薬物療法を期待されていた。また、認知症サポート医の困難事象経験値は認知症疾患医療センターと同等で、かかりつけ医の経験値よりも有意に高かった。一方で、認知症サポート医が相談・連携先として挙がる頻度は、認知症疾患医療センター、かかりつけ医と比較して低かった。 結論:認知症サポート医は、幅広い困難事象を抱える困難事例を扱っており、認知症の診断、薬物療法、他の専門職に対するスーパーバイズが期待されていること、一方で、相談・連携先としての優先度は低いことが明らかになった。多職種連携教育の中で認知症サポート医の役割と連携方法が周知され、彼らがもつ認知症診療のスキルが、困難事例をふくめた認知症者との共生社会の実現をめざす取り組みのなかで有効に活用されることが期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画書にそって進捗している。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き認知症サポート医に着目し、地域の認知症支援体制のなかで認知症サポート医が実際に担っている役割を明らかにする研究をおこなう。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度は新型コロナウイルス感染症の流行拡大にともない国際学会の現地参加を控えたため余剰予算が生じた。 WHO緊急事態宣言の終了にともない、国際学会がオンライン開催から会場開催に移行していることから、今年度は現地参加予定である。
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