研究課題/領域番号 |
22K10434
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
小笠原 克彦 北海道大学, 保健科学研究院, 教授 (90322859)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 人工知能 / 地図情報システム / 機械学習 / 地理的アクセス性 |
研究実績の概要 |
本研究では、以下の2研究を行った。
(1) レセプトと特定健診データを用いた2型糖尿病予測モデルの構築及びリスク因子の抽出 特定健診データと医科レセプトデータを結合して、非侵襲的なデータによる2型糖尿病の予測モデルの構築、リスク因子の抽出をするために、多変量解析や機械学習によって分析を行った。その結果、特定健診データと医科レセプトデータを結び付け、非侵襲的データによって2型糖尿病の早期予防へとつながるリスク因子を抽出することに加え機械学習手法の評価を行うことを目的とし、ランダムフォレストやXG Boost、ベイジアンネットワークといった複数の機械学習手法によりモデルの構築を行い、分析を行った。その結果として「性別」、「腹囲」、「BMI」、「20歳からの体重変化」などの変数が各2型糖尿病予測モデルにおける重要度の高い変数であった。 (2) 急性期脳梗塞医療体制の最適配置と地理的アクセス性 脳梗塞医療体制に焦点を当て医療の地理的アクセス性が脳梗塞死亡リスクに及ぼす影響を分析し、北海道における市区町村間の脳梗塞死亡リスクの地域格差を可視化し、その要因を分析した。また、急性期脳梗塞医療体制の維持および均てん化を目的に医療資源の最適配置に関する分析を行った。北海道における分析では、各市区町村から一次脳卒中センター(PSC)への地理的アクセス性と脳梗塞死亡リスクの関連と市区町村間の地域格差を明らかするために、条件付き自己回帰モデルによる時空間分析を行った。その結果、PSCと市区町村間の直線距離および人口1万人あたりの一般病院数は死亡リスクと正の相関関係にあることを示した。また、人口1万人あたりの救急告示病院数や大卒以上人口割合と脳梗塞の死亡リスクは負の相関関係にあることを示し、PSCに近いことや救急告示病院が多いことが低い脳梗塞死亡リスクと関連することを示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね順調に進んでいる。現在までに、分析方法については人工知能および地図情報システムともに概ね問題ない。今後、介護を含めた経済分析を進める予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今後、疾患だけではなく、介護を含めた地域性毎の経済分析を進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度、論文投稿に係る費用について別予算からの支援を得ることができ、当初の予想より低く抑えることができた。次年度は予定通り予算執行する予定である。
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