研究課題
今年度は、研究計画のとおり、文献整理や学術集会への参加等によって、解決すべき放射線防護における「ピットフォール」の洗い出しを行った。今回、整理したピットフォールの一例を挙げる。IVR(画像下治療)において、放射線防護メガネを装着した医療従事者の右眼は散乱X線からほぼ防護されていない場合がある。これは、IVRにおける散乱X線の入射角と防護メガネの隙間に起因するものであると考えられ、改善が求められる。さらに、眼の水晶体線量は、モニタリングの実効性の面から、眼の位置付近で評価されることはまだまだ少なく、頸部に装着したバッジ式線量計によって推定されることが多い。しかしながら、水晶体と頸部の高さは異なり、また、バッジ式線量計は本来実効線量や皮膚の線量を評価するものであるため、水晶体線量を正確に評価できていないものと考えられる。この点についても今後の研究遂行によって、改善策や対処方法を示していきたい。さらに、医療従事者が受ける散乱X線は被写体(つまり患者)由来のものであると広く認識されているが、X線管等のX線装置からも無視できないレベルの散乱X線が放出されていうことが明らかとなった。電離箱式サーベイメータによる空間線量評価では、電離箱式サーベイメータの方向特性の良さゆえに全方向からの散乱X線を測定するため、散乱X線の発生源別に線量を評価することができない。そのため、このX線管等のから散乱X線についてはこれまで着目されてこなかったものと考える。今後、散乱X線の発生源別の防護方策を検討するべきである。このように、今後検証を行う意義が大きなピットフォールの洗い出しを行うことができた。
2: おおむね順調に進展している
当初の計画どおり、ピットフォールの洗い出し行うことができ、今後の検証の方向性を見出すことができたため。
引き続き、放射線防護におけるピットフォールの洗い出しを行うとともに、それぞれのピットフォールに対する改善策を提案し、その検証を行う。さらには、研究成果の公表も積極的に行いたい。
参加を予定していた学術集会等がオンライン開催となったため、旅費が不要となり次年度使用額が生じた。この予算を用いて、今後、より精緻な研究を遂行する予定である。
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保健科学研究
巻: 13 ページ: 1-9
巻: 13 ページ: 11-18
Foods
巻: 12 ページ: 1305
10.3390/foods12061305
巻: 11 ページ: 1151
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Isotope News
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