• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実施状況報告書

放射線診療に係わる安全管理に必要な医療被ばく線量の適正把握に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K10449
研究機関順天堂大学

研究代表者

坂本 肇  順天堂大学, 保健医療学部, 教授 (40857059)

研究分担者 室井 健三  順天堂大学, 保健医療学部, 准教授 (40337449)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワード医療被ばく線量 / 装置表示線量精度 / 患者照射基準点 / 循環器用X線透視診断装置
研究実績の概要

循環器用X線透視診断装置において簡便に多施設での装置表示線量の精度を検証し、表示線量を利用した放射線診療の最適化、および表示線量からの患者皮膚線量推定について各施設で実施可能とするため、表示線量検証方法の考案と測定用器材の作成について2022年度(令和4年度)に計画した。
装置表示線量の検証はIECやJISにより規格化されているが、この方法ではアイソセンターから15cm焦点方向の位置である患者照射基準点(patient entrance reference point:PERP)の空中に線量計を配置し測定を行わなければならない。このため装置寝台を利用して測定用器材を考案するためには、寝台からの散乱線影響を検証する必要があるためファントムを用いた基礎的検討を行った。その結果、測定位置をファントムより15cm離すことにより数%程度の散乱線含有率にて測定可能であることが分かった。
このため多施設にて調査を行うための測定手技が容易な蛍光ガラス線量計を用い、どの施設でも、どの様な装置においても測定に用いる線量計素子を簡便に空中のPERPへ配置し、同時に装置寝台上のファントム入射表面線量が測定可能な固定方法を検討し、固定用器材の作成に着手しているが、器材の作成に手間取っている。
固定用器材の完成時には、蛍光ガラス線量計を用いた予備実験と、リファレンスとした電離箱線量計による測定結果とを比較検討し、本手法による簡便な測定方法を確立させ、多施設、多装置での統一的な測定による装置表示線量の精度検証を行う。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

多施設測定を行う際に必要となる耐久性に優れた測定用固定器材の制作に手間取っている。測定用器材が完成した際には、順天堂大学関連病院での循環器用X線透視診断装置にてリファレンスとした電離箱線量計での患者照射基準点における出力X線量測定と蛍光ガラス線量計を用いた測定との比較検証を行う。
測定精度等の確認後に多施設測定を行うため測定用器材一式を各施設へ郵送する予定である。測定用器材一式は、測定マニュアル、蛍光ガラス線量計素子、固定用器材、記録用シートで構成する。

今後の研究の推進方策

耐久性のある固定用器材の試作が完成後、蛍光ガラス線量計とリファレンスとした電離箱線量計による測定比較を順天堂大学関連病院での循環器用X線透視診断装置で行い、校正方法を確定する。また、測定手順マニュアルを整備し順天堂大学関連病院の装置にてトライアルを行い、一連の手順に沿った測定が正確に行われるか器材の扱い方法、マニュアル内容を確認し、問題点を改善する。
その後、研究協力が得られた施設へ器材を郵送し、100台程度の装置を用いた多施設測定を行い、実際の線量値と記録された装置表示線量の関係、透視条件・撮影条件と線量値との関係、定期点検など装置の保守管理状況/装置メーカと表示線量精度との関係などを解析する予定である。

次年度使用額が生じた理由

多施設測定を行う際に必要となる耐久性に優れた測定用固定器材の制作に手間取っているため、2024年度に支出を行う予定である。2024年度には固定用器材の支払い、ガラス素子の購入などを予定しているため、多額の支出金額が必要になる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] DRLs2025設定に向けて(DRLs2020の振り返り)2023

    • 著者名/発表者名
      坂本 肇
    • 学会等名
      第79回日本放射線技術学会総会学術大会
  • [学会発表] これからの診断透視検査における線量管理を考える2023

    • 著者名/発表者名
      坂本 肇
    • 学会等名
      第51回日本放射線技術学会秋季学術大会
    • 招待講演

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi