研究課題/領域番号 |
22K10454
|
研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
早稲田 勝久 愛知医科大学, 医学部, 教授 (80367797)
|
研究分担者 |
河合 聖子 愛知医科大学, 医学部, 講師 (10440744)
川原 千香子 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (10762081)
伴 信太郎 愛知医科大学, 医学部, 特命教育教授 (40218673)
佐藤 麻紀 愛知医科大学, 医学部, 講師 (60351102)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | 診療参加型臨床実習 / 医行為 / 経験症候 / コンピテンス・コンピテンシー |
研究実績の概要 |
臨床実習のアウトカムをどのように評価することが卒前の「技能」「態度」評価として望ましいのか、また、それぞれの評価が学生へどのように影響しているかは十分に検討されていない。そこで我々は、診療参加型臨床実習中の多様な評価システムを全般的に見直し、包括的評価システム(Programmatic assessment)を構築することによって、学生の診療技能の獲得のみならず、医師としての態度面の資質・能力の修得にどのように影響するかを検討することとした。 2023年度は、前年度までに開発を行い使用開始となったWeb評価システムの分析を行った。門田レポートにて例示されている診察、一般手技、外科手技、検査手技、救急、治療の大分類のうち、必須項目について検討した。50%以上の学生が経験している医行為の数は、診察(11項目中4項目)、一般手技(10項目中2項目)、外科手技(8項目中6項目)、検査手技(9項目中0項目)、救急(5項目中0項目)、治療(6項目中0項目)であった。学生による自己申告のため未入力による過小評価されている部分はあるが、検査手技や救急の医行為については改善の余地があると思われる。また経験すべき症候に関しては、モデルコアカリキュラムに示されている37症候をもとにすると、50%以上の学生が経験している症候が11症候と半数に満たなかった。 次に、コンピテンス・コンピテンシー達成率と臨床実習の成績との関連について検討した。臨床実習の成績を成績順で3群に分け、成績上位3分の1(成績上位者)と下位3分の1(成績下位者)の2群間でコンピテンシー達成率を比較検討した。両群間の比較では、多くのコンピテンシーでその達成率に有意差を認めず、プロフェッショナリズとコミュニケーションに関する各1項目ずつに有意差を認めた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた解析は概ね行えている。しかし、臨床実習に医学生が実施する医行為や経験症候のログ調査は、学生の自己申告のため、回答状況によりその結果が影響する。現状では、決して十分な回答率では無いため、回答率を上げるように学生に再度周知を行い、データ解析を行う予定である。その確認のために更なる時間が必要である。
|
今後の研究の推進方策 |
前年度に引き続き諸種の評価結果(Post-CC OSCE、コンピテンス・コンピテンシー調査、総合試験)と実習の評価結果との関連を検討する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
学会発表の機会が予定より少なかったため、差額が生じた。
|