研究課題/領域番号 |
22K10473
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
渡辺 基子 順天堂大学, 医学部, 助教 (40831847)
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研究分担者 |
三宅 秀彦 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (40297932)
岐部 智恵子 お茶の水女子大学, 教学IR・教育開発・学修支援センター, 講師 (80770502)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | コーテシースティグマ / 家族 / 祖父母 / Down症候群 / 適応プロセス / 遺伝性疾患 / 遺伝カウンセリング |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、遺伝性疾患を有する子どもの家族のコーテシースティグマに関連した状況とコーピング、適応プロセスについて明らかにすることである。これまでに、Down症候群のある子どもの親を対象とした調査を実施し、親のコーテシースティグマの認識や経験、コーピングについて明らかにした。コーピングは受動/能動、内的/外的のカテゴリーに分類され、受動内的なものから能動外的なものへと発達する可能性が示唆された。また、その過程で親は障がいの有無による壁がない状態である脱境界の境地に至ることを示した。本研究は、これまでに明らかにしたDown症候群のある子どもの親のコーテシースティグマに関する知見に基づき、①親以外の家族の状況と②他の遺伝性疾患における親の状況について明らかにすることを目的とする。 本年度は、①親以外の家族の状況として、Down症候群のある子どもの祖父母を対象としたインタビュー調査を実施した。インタビューは14名(祖母10名、祖父4名)に行った。対面、オンライン、電話から選択可能とし、約1時間の半構造化インタビューを実施した。インタビューは録音し、現在文字起こしと分析を実施している。また、情報収集のために海外の遺伝カウンセリング関連学術集会に参加し、Down症候群に関するシンポジウムや展示で情報や資料を集めた。②に関しては質問紙を作成し、倫理委員会の審査を受け承認を得た。調査対象となる遺伝性疾患を検討するために、国内外の遺伝カウンセリング関連学術集会での情報収集や家族会への参加を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画通り、Down症候群のある子どもの祖父母を対象としたインタビュー調査を実施した。家族会に参加者のリクルートを依頼し、14名から調査協力が得られた。インタビューにより有意義なデータを得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
・インタビューデータについて質的分析を実施し、その成果を論文にまとめる。 ・遺伝性疾患のある子どもの親を対象としたアンケートに関して、対象疾患を決定する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度の祖父母を対象としたインタビューでは、電話やオンラインによるインタビュー希望者が多く、会議室費が2件のみの発生となり費用が抑えられた。また、文字起こしを自分で担当したことで、費用を抑えることができた。次年度は、学会での発表や情報収集のための学会参加費、論文発表のための英文校正費等に充てる計画である。
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