研究課題/領域番号 |
22K10482
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研究機関 | 公益財団法人結核予防会 結核研究所 |
研究代表者 |
李 祥任 公益財団法人結核予防会 結核研究所, 臨床・疫学部, 主任 (80819285)
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研究分担者 |
河津 里沙 公益財団法人結核予防会 結核研究所, 臨床・疫学部, 主任研究員 (10747570)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 結核・感染症 / リスクコミュニケーション / デジタルヘルス / ベトナム人 / 外国出生・外国人 |
研究実績の概要 |
本研究は以下の段階を踏まえて実施中;(1)結核を含む感染症に関する在住ベトナム人の知識・態度・行動と医療ニーズに関する調査。(2)ベトナム人の医療相談・早期受診に役立つ支援リソースに導くアルゴリズムと、ヘルスプロモーションツールの開発。(3)デジタル技術を活用し、べトナム人を対象とした結核のRCを実施し、結核に対する意識や保健行動の観点からRCを評価。 今年度は、結核のRCやヘルスプロモーションを発展させるための手法の検討を目指した研究の事前調査として、ベトナム人の健康課題やニーズに関する調査を行った。ベトナムコミュニティと連携したTB Action Networkとして、在住ベトナム人の健康に関する課題・行動・ニーズに焦点をあてた(1)を実施し、約200名(うち165名調査参加、35名健康相談会参加)からデータを集めた。さらに、こうした背景の理解を深めるために質的分析も加えて検討した。本調査結果は国内学会で発表し、国際誌に投稿した(査読中)。調査参加者の21.8%が過去1年以内に体重減少を、6.7%が2週間以上続く呼吸器症状を報告した。参加者の大多数が、日本で必要な時に健康について相談できる人がいないと回答し、支援窓口の知識の欠如も確認された。結核の症状に該当した調整オッズ比は、日本で必要な時に健康相談をする窓口として“SNS経由でベトナムに在住する家族”と回答する人では、その様に相談しない人と比べて高かった。健康で困っていると回答したオッズ比は、喫煙者では、非喫煙者と比べて高かった。分析結果から、ベトナム出生者の健康ニーズや保健行動、SNS利用の行動特性を考慮して(2)の初期アルゴリズム開発を進め、ヘルスプロモーション項目も抽出した。次年度初頭に、ベトナム人の結核に関する知識・態度・行動を加えた調査を継続して行う。(3)のRCについては、対応した個別事例の評価を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
調査の結果から、本研究の目的にあるベトナム人の医療相談・早期受診に役立つ支援リソースに導くアルゴリズムの初期開発を進めることができたため、おおむね予定どおりに進めることができた。本研究事業の推進のために、ベトナムコミュニティと連携しながらベトナム移民にアプローチできていることは、本研究実施体制の強みである。
補足: ・リスクコミュニケーション (Risk Communication: RC) ・TB Action Network は、在住ベトナム人のための結核と健康に取り組む非営利のネットワークである。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は初年度に投稿した(1)の調査について論文での発表を目指し、残りの調査を終わらせる。また、(2)の開発が完成出来次第、オンライン上に公開する。(3)のRC開発を進展させ、評価も継続する。
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次年度使用額が生じた理由 |
国際誌に論文を投稿後、査読プロセス期間が次年度となるため、採択され次第残額を次年度に支出予定である。
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