研究課題/領域番号 |
22K10485
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
川尻 剛照 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (90345637)
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研究分担者 |
多田 隼人 金沢大学, 附属病院, 助教 (90623653)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 家族性高コレステロール血症 / 心血管イベント / LDLコレステロール |
研究実績の概要 |
金沢大学と関連30施設からF家族性高コレステロール血症(FH)患者(目標2,000例)をオンライン登録し、FH患者の治療状況、LDL-C管理目標値到達率などを明確とし、動脈硬化性疾患発症に関連する因子(脂質値、その他の危険因子とその重症度、FH関連遺伝子およびコレステロール代謝に関連する遺伝子変異等)を抽出する事を目的とした北陸プラスFHレジストリ―研究を開始し、RedCapシステムを構築し症例の登録を開始するとともに、その遺伝学的背景に関する解析を遂行した。本レジストリ―研究では、本症の代表的な合併症である全身性動脈硬化性疾患関連のイベントはもちろん、遺伝的背景、悪性疾患の罹患などの情報も収集した。遺伝学的検査についても、研究グループで独自に開発した関連遺伝子を網羅したパネル解析を活用し、比較的安価かつ多数例に対する解析を遂行することが可能であった。さらには、解析結果の一部については別途サンガー法による解析によりその妥当性を検証した。さらにはFH類似疾患であるシトステロール血症などの関連遺伝子も網羅することにより、正確な鑑別診断も可能であった。実際に今年度には臨床診断がFHであったがシトステロール血症であった症例を経験した。研究の過程において、FHとしての病原性遺伝子変異は冠動脈疾患などの心血管疾患との正の関連を認めるものの、禁煙や運動習慣などの後天的要因によりその関連が一部キャンセルされることを見出した。また、その過程において、関連遺伝子を網羅したパネル解析を確立し、その有用性を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通り家族性高コレステロール血症(FH)に関してRedCapシステムを用いたオンライン登録システム(北陸プラスFHレジストリ―研究)を開始し症例の登録を開始するとともに、初期解析を遂行した。
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今後の研究の推進方策 |
病原性遺伝子変異の解析を進め、表現型との関連解析を継続するとともに、心血管イベント以外の合併症の実態調査を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染症の影響により学会がオンラインとなったことや遺伝子解析の試薬の使用の工夫により使用額の変更が生じた。次年度にはさらに多数例の解析に使用する予定である。
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