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2023 年度 実施状況報告書

無莢膜型肺炎球菌の病原性解明と全菌体型肺炎球菌ワクチンによる予防効果の検証

研究課題

研究課題/領域番号 22K10492
研究機関和歌山県立医科大学

研究代表者

酒谷 英樹  和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (30817317)

研究分担者 河野 正充  和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (20511570)
伊豫 巧朗  和歌山県立医科大学, 医学部, 準客員研究員 (70895820)
保富 宗城  和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (90336892)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード無莢膜型肺炎球菌 / PspK / 莢膜
研究実績の概要

【はじめに】肺炎球菌蛋白結合型莢膜多糖体ワクチンの導入に伴い、非ワクチン血清型株による感染症の増加が警鐘されている。無莢膜型株(NESp: nonencapsulated Streptococcus pneumoniae)は主に小児と高齢者に侵襲性感染症を引き起こすことが報告されている。しかし、病原性が低いため侵襲性感染症 を検討する良好な感染モデルがなく病原性の評価がなされていないのが現状である。我々はNESp経気管内投与による侵襲性肺炎マウスモデルを確立し、さらにNESpの病原因子であるPspKが及ぼす役割について調べるため、PspK欠損株(MNZ1131)を作成し感染実験に用いた。【方法】NESpのpspk領域をinsertion duplication法によって導入し、pspKノックアウト株(NESp Δpspk株)を作製した。MNZ11とMNZ1131を経気管内に投与し生存率を比較した。【結果】MNZ11感染マウスにおいても48時間以内に菌血症を伴う致死的肺炎が約半数に引き起こされたが、MNZ1131では全数マウスが生存した。肺組織像を比較するとMNZ11の方が優位に組織学的障害スコアがMNZ1131より高かった。【考察】 NESpは下気道内に侵入することで、侵襲性肺炎や菌血症といった致死的感染症を引き起こす病原性を持つことが示された。PspKがNESpの病原因子であることが示された。無莢膜型株は莢膜型株に比較して病原性が低い反面、低免疫能を背景とした高齢者における誤嚥性肺炎や小児の急性中耳炎などの感染症への影響が懸念される。そのためNESpの病原性に基づいた新たな感染 予防戦略の開発が必要である。【実績】上記研究内容を国内の複数の学会で口演発表を行った。

現在までの達成度
現在までの達成度

2: おおむね順調に進展している

理由

当該年度は無莢膜型肺炎球菌野生型MNZ11に対するPspK欠損株を作成することを想定していたため、その進捗は達成できたものと考える。

今後の研究の推進方策

PspKの存在下ではなぜNESpの致死率が増加するかについて、PspKの病原因子として働きを調査する。具体的には経気管内投与で感染させたマウスの肺胞内、血液中の菌量、及びサイトカイン/ケモカインを測定してMNZ11とMZN1131とで比較する。

次年度使用額が生じた理由

PspK欠損株の作成が予想よりも首尾よく進んだため、必要な試薬等が想定より少なく済んだ。次年度使用額を用いて次年度はより多くのマウス匹数とサイトカイン/ケモカイン測定項目にあてることで、質の高い研究結果を出すことを目標とする。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 肺炎球菌感染防御機構として働く 嗅上皮の再生にTRPV1,TRPV4が及ぼす影響2023

    • 著者名/発表者名
      酒谷英樹
    • 学会等名
      第93回日本感染症学会西日本地方会学術集会

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公開日: 2024-12-25  

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