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2024 年度 実施状況報告書

無莢膜型肺炎球菌の病原性解明と全菌体型肺炎球菌ワクチンによる予防効果の検証

研究課題

研究課題/領域番号 22K10492
研究機関和歌山県立医科大学

研究代表者

酒谷 英樹  和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (30817317)

研究分担者 河野 正充  和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (20511570)
伊豫 巧朗  和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (70895820)
保富 宗城  和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (90336892)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワード無胸膜型肺炎球菌 / PspK
研究実績の概要

【はじめに】肺炎球菌蛋白結合型莢膜多糖体ワクチンの導入に伴い、非ワクチン血清型株による感染症の増加が警鐘されている。無莢膜型株(NESp:nonencapsulated Streptococcus pneumoniae)は主に小児と高齢者に侵襲性感染症を引き起こすことが報告されている。しかし、病原性が低いため侵襲性感染症を検討する良好な感染モデルがなく病原性の評価がなされていないのが現状である。我々はNESp経気管内投与による侵襲性肺炎マウスモデルを確立し、さらにPspK欠損株(MNZ1131)を作成し、PspK欠損により感染マウスの炎症動態がどのように変化するかを調べた。【方法】pspKノックアウト株(NESp Δpspk株:MNZ1131)、及びNESp野生型株(MNZ11)を経気管内に投与し、感染後6,24,48時間後の肺胞洗浄液の炎症細胞数、血清中の炎症性サイトカインをELISAで測定した。【結果】MNZ11感染群はMNZ1131感染群と比較して、肺胞洗浄液中の菌数が有意に高く好中球数とTNFα、CXCL1、GM-CSFも高値であった。また、MNZ11感染群は早期から菌血症を発症しTNFα、CXCL1、GM-CSFが有意に上昇したが、MNZ1131感染群では菌血症は認められずこれらのサイトカインの上昇も軽微であった。【考察】 NESpは下気道内に侵入することで、侵襲性肺炎や菌血症といった致死的感染症を引き起こす病原性を持つことが示された。PspKはNESpによる肺感染と菌血症の発症に重要な役割を果たすことが示唆される。無莢膜型株は莢膜型株に比較して病原性が低い反面、低免疫能を背景とした高齢者、小児の感染症重篤化への影響が懸念される。そのためNESpの病原性に基づいた新たな感染 予防戦略の開発が必要で、本研究結果はその病原因子を明らかにした研究であると言える。

現在までの達成度
現在までの達成度

2: おおむね順調に進展している

理由

当該年度は無莢膜型肺炎球菌野生型MNZ11に対するPspK欠損株を作成し、信州性感染症の病態を解明することを目的としていたため、概ね計画は達成できたと言える。一方PspKワクチン、全菌体型ワクチンの予防効果の評価について、PspKによる免疫マウスモデルの作成が達成することができなかった。

今後の研究の推進方策

遺伝子組換えPspK、及びNESp死菌量の投与量の調整を行い、免疫による肺炎球菌感染予防効果を調査する。

次年度使用額が生じた理由

PspK欠損株を用いた病原性の検討に当初想定していた量より少ない試薬セット数で結果が得られたため次年度使用金額が生じた。次年度は遺伝子組み換えPspKの作成に費用を計上する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 【肺炎球菌感染症制圧に向けて】臨床 肺炎球菌感染症の最近の動向 新たな脅威となる無莢膜型肺炎球菌感染症)2024

    • 著者名/発表者名
      酒谷英樹、保富宗城
    • 雑誌名

      臨床と微生物

      巻: 51 ページ: 452-455

    • 査読あり

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公開日: 2025-12-26  

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