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2022 年度 実施状況報告書

組換え乳酸菌・酵母菌を用いたジカウイルス経口粘膜ワクチン開発に向けた最適化の検討

研究課題

研究課題/領域番号 22K10495
研究機関近畿大学

研究代表者

正木 秀幸  近畿大学, 生物理工学部, 准教授 (90247982)

研究分担者 芦田 久  近畿大学, 生物理工学部, 教授 (40379087)
東 慶直  近畿大学, 生物理工学部, 教授 (90333509)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワードジカウイルス / 粘膜ワクチン / コレラトキシンB / 乳酸菌 / 酵母菌
研究実績の概要

フラビウイルス属のヒト感染性ウイルスであるジカウイルス(ZIKV)は、性感染症の側面や催奇形性など他のフラビウイルス属とは異なる特性を持ち、流行地域に小頭症児の出生が多発するもワクチンは未開発である。コールドチェーン不要など発展途上国でのワクチン接種に有利、かつ生殖器などの粘膜に強い免疫を誘導する粘膜ワクチンの特質に着目して、経口粘膜ワクチン抗原として用いる目的で強力かつ安全性の高い粘膜アジュバントであるコレラトキシンB(CTB)と防御誘導性蛋白質であるZIKVのエンベロープ(E)蛋白質を菌体表面に共発現する乳酸菌及び酵母菌を樹立し実験動物に投与して、より有効な防御粘膜免疫が得られるか検討する。以上の目的のため、(1)CTB発現系の作成、(2)ZIKVE蛋白質菌体表面発現乳酸菌株の樹立、および(3)先に樹立したZIKVE蛋白質菌体表面発現酵母菌株の発現至適条件の検討を行った。(1)については、CTB人工遺伝子を大腸菌用発現ベクターpGEX-6P-2にIn-fusion法を用いて組み込み、グルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)-CTB融合蛋白として発現させるコンストラクトを作成し大腸菌を形質転換後、IPTG添加培養によりGST-CTB融合蛋白質が発現誘導されることを確認した。(2)については、ZIKVE蛋白質遺伝子をIn-fusion法を用いて乳酸菌菌体表面発現ベクターpSGANC332に組込んで発現コンストラクトpSGANC332_ZIKVEを構築、電気穿孔法により乳酸菌にtransfectして、菌体表面ZIKVE蛋白質発現乳酸菌株を樹立した。同菌株を加熱処理により死菌化した後にマウスに経口免疫したところ、血清中にZIKVE特異的IgGが誘導されることを確認した。(3)については、ガラクトース添加によるZIKVE蛋白質発現誘導についての最適条件の検討を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ZIKVE蛋白質菌体表面発現酵母菌株のZIKVE蛋白質発現が不安定であり、発現至適条件(ガラクトース濃度、ガラクトース添加前および添加後の培養時間・温度など。)の検討などに時間が取られたため。

今後の研究の推進方策

研究分担者の協力を基に、CTBとZIKVE蛋白質を菌体表面に共発現する乳酸菌株び酵母菌株の樹立も鋭意進める。酵母菌菌体上のZIKVE蛋白質発現の至適条件を決定後、ZIKVE蛋白質発現酵母菌株もしくはZIKVE蛋白質発現乳酸菌株を、大腸菌で発現させて精製したCTBと共に経口免疫し、CTBとZIKVE蛋白質を菌体表面に共発現させた乳酸菌株もしくは酵母菌株を経口免疫した場合とのZIKVE蛋白質に対する粘膜免疫誘導を比較検討する。また、研究に十分なエフォートを当てれない点については、研究補助員(アルバイト)の雇用を考慮する。

次年度使用額が生じた理由

ZIKVE蛋白質の菌体表面発現の最適化や、CTBとZIKVE蛋白質を菌体表面に共発現する乳酸菌株び酵母菌株の樹立が未完なため、それらの経口免疫による免疫反応の十分な検討が出来なかったが、それらが完遂され次第、乳酸菌や酵母菌及びマウスリンパ球培養用の培地・培養器具、マウス及びその飼料、ELISA用のELISAプレートや標識抗体及び発色基質、エピトープ合成ペプチド、ELISPOTアッセイキット、XTTアッセイキット、マウスIL-2等のサイトカイン、ジカウイルス中和抗体価測定のための試薬類などを購入する予定である。

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公開日: 2023-12-25  

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