研究課題/領域番号 |
22K10509
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
原田 真理子 京都大学, 医学研究科, 研究員 (10553399)
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研究分担者 |
原田 浩二 京都大学, 医学研究科, 准教授 (80452340)
藤井 由希子 第一薬科大学, 薬学部, 准教授 (80733542)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | フッ素化アルキル化合物 / 体内動態 / 疫学 / 沖縄県 / 代謝疾患 |
研究実績の概要 |
日本及び諸外国でフッ素化アルキル化合物(Perfluoroalkyl substances: PFAS)による環境汚染が発覚してきている。日本においては沖縄県の中部地域などで広範に飲料水が汚染され、曝露が高い集団がある。PFASは代謝系受容体への活性が動物実験で報告されており、糖尿病、脂質異常症の循環器疾患のリスクファクターを修飾しうると考えられる。本研究では沖縄中部地域、他の地域を含めて住民を対象とした疫学調査を実施する。血漿検体のPFASを分析し、糖尿病、脂質異常症の罹患、また関連する生化学指標との関連を解析する。また過去の曝露を推計し、症例対照研究として解析を行う。 今年度、沖縄県において汚染の影響下にある自治体のうち、中部地域の浦添市のクリニックでリクルートされた検体のPFAS分析を実施した。生活習慣病、肥満が評価された。血清試料に、安定同位元素標識体およびアセトニトリルを添加して分析対象物質を抽出し、高分解能ガスクロマトグラフ電子捕獲負イオン化質量分析により血漿中PFASを分析し、主として7種が検出された。患者の臨床情報のデータセットを構築し、データマネジメントとしてレコードのチェックを行い、疑義のある数値について照会を行った。血漿中PFAS分析地を取り込んで統計解析用のデータセットを構築した。また、浦添市のほか、沖縄県での住民からのサンプリングを開始し、血液検体の収集、また背景となる情報の収集を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通りに、調査対象地域での検体採取、またPFAS分析を行っている。中間解析のためのデータセットの構築もできており、次年度以降に解析結果も公表可能となっている。
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今後の研究の推進方策 |
中間解析のためのデータセットを統計解析を実施し、候補となるアウトカムを明らかにする。また初期調査のクリニックから調査対象集団を拡大していく計画を進める。沖縄県での調査のほか、汚染度が高いと考えられる地域での参加者のリクルートを進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の対応のため、クリニックでの検体採取などに遅れが生じた。次年度に検体の生化学分析などを外注するため、全体への影響はなく、計画道理に進行できると考える。
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