研究課題/領域番号 |
22K10514
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
金山 明子 東邦大学, 看護学部, 准教授 (90536195)
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研究分担者 |
小林 寅吉 東邦大学, 看護学部, 教授 (10533028)
金坂 伊須萌 東邦大学, 看護学部, 助教 (50758183)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 黄色ブドウ球菌 / MRSA / リモート環境 / イアフォン |
研究実績の概要 |
本研究では、イアフォンを使用する一般健常人の耳孔とイアフォンより試料を採取し、黄色ブドウ球菌を含む皮膚常在菌を培養法にて検出する。同時に、試料採取時以前1週間のイアフォンの使用時間をアンケートにより調査し、耳孔およびイアフォン試料における黄色ブドウ球菌および常在菌の検出頻度を、イアフォン使用時間毎に解析することとした。 2022年度において、学内倫理審査委員会による研究計画の承認を得たのち、対象者より試料の採取を行い、試料培養、アンケート調査を進めた。その結果、黄色ブドウ球菌の検出率が想定より低いことが明らかになった。耳孔、およびイアフォンの耳孔接触部位を滅菌綿棒にて拭い、少量の液体培地に入れたのちに綿棒中の細菌を洗い出し、その洗い出し液の一部を定量培養に用いる方法で行ったが、目的とする黄色ブドウ球菌の菌量が検出限界より低いため、本菌の検出が認められなかった。そのため、試料採取に用いた綿棒の試料を直接培地に塗抹する方法に変更した。これにより、菌数を定量的に得ることはできないが、当初の予測程度の検出率が得られることを確認した。 その後、試料採取を再開し、2022年度は23名の協力を得られた。このうち5名の耳孔、1名のイアフォンより黄色ブドウ球菌が検出された。分離株は保存し、2023年度の分離株と併せて性状の解析を実施する。アンケートによる使用時間との明確な関連は解析できない。 培養法の検討に加え、COVID-19による遠隔授業の実施等の影響を受け、試料採取が可能であった例数が、当初の予定よりも少なかった。不足分は2023年度に採取を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度において、培養による目的菌種の検出率が低かったため、試料培養方法を検討した。また、対象者を学内の教職員および学生を想定していたが、予定した秋学期にCOVID-19の感染者、濃厚接触者が増加したため、試料採取を見合わせた。そのため、当初100名程度より試料を採取する予定であったが、23名となった。
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今後の研究の推進方策 |
2023年は、6~9月に100名を目標に対象者を募集し、研究同意を得られた者から試料採取とアンケートを実施する。 試料採取後、随時培養および菌種同定を実施する。その後、12月~3月に黄色ブドウ球菌の抗菌薬感受性試験、耐性遺伝子、MRSAの鑑別の解析を実施する。 2023年7月に、APCCMI2023(19thAsia Pacific Congress of Clinical Microbiology and Infection, Korea)に参加し、今後のデータ解析および論文化に向けての情報収集と方策の参考とする。 2024年1月に、2024年6月に開催されるASM(American Society for Microbiology)Microbeに関連演題をエントリーする予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2022年度において、培養による目的菌種の検出率が低かったため、試料培養方法を検討した。また、対象者を学内の教職員および学生を想定していたが、予定した秋学期にCOVID-19の感染者、濃厚接触者が増加したため、試料採取を見合わせた。そのため、当初100名程度より試料を採取する予定であったが、23名となった。 2023年6~9月の追加の試料採取と12月~3月の分離株の解析に差額を使用する予定である。 今後のデータ解析および論文化に向けての情報収集と方策の参考とするため、2023年7月に、APCCMI2023(19thAsia Pacific Congress of Clinical Microbiology and Infection, Korea)の参加に際し旅費、参加費に使用する。 2024年1月に、2024年6月に開催されるASM(American Society for Microbiology)Microbeに関連演題をエントリーする予定のため、抄録および発表資料の英文校閲、旅費、参加費に使用する。
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