研究実績の概要 |
当該年度はLSD系化合物を対象として検討を行った。モデル化合物として、N-(6aR,9R)-N-isopropyl-N,7-dimethyl-4,6,6a,7,8,9-hexahydroindolo[4,3-fg]quinoline-9-carboxamide (MIPLA)を用いた。 MIPLAの1mg/mLジクロロメタン溶液を調製し、結晶スポンジ法での構造解析を試みた。TPT/ZnCl2/n-hexaneの結晶を用い、20~100μgのMIPLAを4℃で3日incubationしたところ構造解析はできなかったものの茶色に変色しており、一部の化合物が結晶スポンジに取り込まれていたと考えられた。50℃16時間の条件では全体として色調が濃くなっており、取り込み率が比較的高かったものと推定されたが、測定の結果構造解析には至らなかった。50℃16時間の条件下50μgのMIPLAを用いてn=3で検討を行ったところ、用いた結晶スポンジにより色調の変化に差が認められた。いずれの結晶も化合物の取り込みに適した結晶であったことから、サイズや形状等も含め使用する結晶の質で取り込み効率に大きな差がある可能性が想定される。これまでの条件検討では1条件1結晶で検討を行ってきたが、質の違いによる影響を考慮すると3~5個程度の結晶を用いて検討するのが適切であると考えられた。 LSD系の化合物については、MIPLA同様に結晶スポンジへの取り込みによる変色が期待できることから、今後他の類似化合物を条件検討に用いることを予定している。
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