研究課題/領域番号 |
22K10525
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
今野 弘規 近畿大学, 医学部, 教授 (90450923)
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研究分担者 |
高田 碧 公益財団法人大阪府保健医療財団大阪がん循環器病予防センター(予防推進部・循環器病予防健診部・健康開発, その他部局等, その他 (00850885)
木原 朋未 筑波大学, 医学医療系, 助教 (10912165)
石原 真穂 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (40936928)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 血糖変動モニタリング / 体成分 / 横断研究 / 地域一般住民 / 糖代謝 |
研究実績の概要 |
本研究は、個人の筋肉や脂肪の分布と量を高精度体成分分析装置(InBody770)と個人内血糖変動モニタリング検査(FGM検査)を用いて、非糖尿病の一般住民における体成分と糖代謝との関連を明らかにすることを目的としている。体成分として、全体および部位別の筋肉量や脂肪量を反映する指標を、糖代謝指標として、日常生活における血糖変動や平均血糖、ならびに血液検査によるインスリン抵抗性指標・分泌能指標、血清1,5AG、HbA1cを用いて多角的に分析し、他の身体要因および生活習慣等の交絡因子も考慮して両者の関連を定量的に評価する。 本年度は、循環器疫学地域コホート研究(CIRCS: Circulatory Risk in Communities Study)における秋田県農村I町で97人(男48人、女49人)、茨城県農村C市で111人(男44人、女67人)に対してFGM検査を含む上記調査を実施した。そのうち、40-74歳の男女でHbA1c5.0~6.4%の者169人(男74人、女95人、I町76人、C市93人)を分析対象とした。分析対象者のうち、体成分測定値が得られた158人(男66人、女92人、平均年齢64.0歳)におけるSkeletal Muscle Mass Index(SMI; 全身の筋肉量に占める四肢の筋肉量(appendicular lean mass; ALM)を身長の2乗で除した値)を算出した。SMIの全体の平均値は、男7.7㎏/㎡(標準偏差0.7)、女6.0㎏/㎡(同0.7)で、Asian Working Group for Sarcopenia 2019(AWGS2019)における筋肉量低下の基準(男7.0㎏/㎡未満、女5.4㎏/㎡未満)を上回る者が男女それぞれ、86.4%、85.9%を占めていた。SMI平均値の低下傾向は男で70代、女で60代以降に認められた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度から4地域における研究を計画していたが、実際は地域の事情もあり、今年度は2地域での実施となった。しかしながら、1地域あたり25人の計100人の計画であったところ、実際は、秋田県農村I町で97人(男48人、女49人)、茨城県農村C市で111人(男44人、女67人)の計172人に対してFGM検査およびInBody検査を含む目的の調査を行うことが出来た。そして、FGM検査および体成分測定値ともに分析可能な対象者158人(男66人、女92人169人(男75人、85人)を確保することが出来た。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画は、2022年度と2023年度で4地域各25人/年の計200人に対する調査を実施することである。一部の地域については、体制の変更により、検査の延期・中止の方向で検討中のところもあるが、各地域の実情に応じて、初年度に調査出来た数にさらに調査人数を上積みすると共に、FGM検査とInBody検査に基づく血糖変動と体成分分析結果との関連を他の生活習慣や身体要因も含めて多角的に検討するための解析用データセットの構築を進める。 そして、2024年度には、調査人数をさらに上乗せすると共に、上記データセットの構築を完了し、FGM検査による個人内血糖変動の諸指標とInBodyによる体成分分析結果症との関連を定量的に明らかにする計画である。
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次年度使用額が生じた理由 |
4地域の計画が2地域になったこと、および他の財源から一部の検査費用について充当出来たことにより、分担研究者および主任研究者それぞれについて次年度使用額が生じた。以上の助成金は、次年度分として請求した助成金と合わせて、地域の実情に応じた調査費用として使用する予定である。
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