研究課題/領域番号 |
22K10564
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
引地 博之 北里大学, 医学部, 講師 (00711186)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 東日本大震災 / 疫学調査 / データクリーニング |
研究実績の概要 |
まず、心的外傷後成長に関する国内外の文献レビューを行った後に、測定尺度開発を進めている研究者にコンタクトを取り、本研究により適した尺度をご紹介いただいた。この尺度は、1)他者との関係、2)新たな可能性 、3)人間としての強さ、4)実存的精神性的変容、5)人生に対する感謝、の5因子について、10項目の設問を用いて測定するものである。これに加えて、手段的日常生活動作(バスや電車の利用、日用品の買い物、食事の用意、請求書の支払い、預金の出し入れ)を測定する老研式活動能力指標を盛り込んだ自記式調査票を完成させた。この調査票には、上記の2要因に加えて、全身疾患やうつ、心的外傷後ストレス症状(Posttraumatic stress symptoms: PTSS)、BMIといった健康状態、ソーシャル・ネットワークやソーシャル・キャピタル、学歴や所得や就業状態などを尋ねる設問も含まれており、様々な要因の交絡を考慮する多変量解析に対応可能となっている。各質問は複数の研究者でディスカッションを行い、意見を取り入れ修正しながら作成した。その後、東日本大震災前の2010年から3年おきに実施してきた縦断調査の回答者を対象とする追跡調査を実施した。調査の際には、回収率向上のためにコミュニティFMを通じて調査実施を地域住民に周知した。調査は自治体と共同で実施した。調査期間中は自治体庁舎に研究者が赴き、対象者からの質問やクレームに回答する電話対応を行った。また、使用が想定される統計解析法について専門家に対するヒアリングも実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画調書に記載の通り、2022年度は心的外傷後成長と手段的日常生活動作を測定する尺度を掲載した自記式調査票を作成し、これまでの調査回答者を対象とする追跡調査を完遂することができた。
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今後の研究の推進方策 |
データクリーニングが終わり次第、多時点パネルデータを作成し、統計解析を開始する。まず、心的外傷後成長とPTSSとの関連を精査する。この取り組みから得られた知見は、心的外傷後成長と認知機能の関連を検証する際に考慮すべき変数について重要な示唆を与える。
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次年度使用額が生じた理由 |
海外(米国)の共同調査者が当該調査に支出できる金額が増えたこと、それに加えて急激な円安が起こり、申請者自身が負担すべき調査費用が大幅に減少した。現在、研究をさらに進展させるために追加の調査を計画中であり、2022年度調査のために支出する予定であった助成金を追加調査の遂行のために使用する予定である。
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