研究実績の概要 |
R5(2023)年度は小中学校や高校での学校保健委員会や小児科の学会でネット依存について講演し、ネット依存の仕組みや脳への影響について説明した。小中学校がほとんどであるが、講演回数は年間40回以上となった。また研究の範囲はネットの過剰利用による健康障害であったが、学習効果についての分析(R4年度から開始)と目の健康についての研究を開始した。 研究発表の論文では2018年に小学生13,000名に対して実施した既存データの分析を進めた。メディア(テレビやDVD,ゲーム、ネットなどのスクリーンを見る合計時間、勉強時間を除く)時間が3時間以上の児童と学校区についてマルチレベル分析を行った。学校区は家庭でルールがある割合を地域変数として分析した。予想通りにルールがない割合が高い学校区では子どものメディア時間が長いことが判明した。この結果は2024年3月に英文誌(Environ Health Prev Med)に掲載された。また上記の講演の詳細を東京小児科医会報2024年3月号に寄稿した。 学会発表では5月に京都で開催されたアジア児童精神医学会(the 11th Congress of the Asian Society for Child and Adolescent Psychiatry and Allied Professions)、6月にカナダTorontoで開催されたWorld Congress of Education, 8月に韓国仁川で開催された国際依存症学会(8th International Conference on behavioral Addiction),10月につくばで開催された日本公衆衛生学会、11月に金沢市で開催された北陸学校保健学会、12月に富山市で開催された富山県医学会でネット依存だけでなく学習効果、目に関する発表を行っている。
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