研究課題/領域番号 |
22K10582
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
若井 建志 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (50270989)
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研究分担者 |
松尾 恵太郎 愛知県がんセンター(研究所), がん予防研究分野, 分野長 (80393122)
中杤 昌弘 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 准教授 (10559983)
井本 逸勢 愛知県がんセンター(研究所), 研究所長, 研究所長 (30258610)
今枝 奈保美 至学館大学, 健康科学部, 教授 (80387662)
後藤 千穂 名古屋文理大学, 健康生活学部, 教授 (90367855)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | コホート研究 / 食物繊維 / 大腸がん / 食物摂取頻度調査票 |
研究実績の概要 |
本年度は食物繊維摂取と大腸がん罹患との日本における関連を検討した。検討の対象者は日本多施設共同コーホート研究(J-MICC Study)の参加者(参加時35~69歳)のうち、がん罹患追跡調査(注)の対象者である。がん既往歴を持つ者、総エネルギー摂取量が極端な者などを除外し、71,655名(うち女性40,262名)を解析対象とした。ベースライン調査時の食物摂取頻度調査票(FFQ)により、食物繊維(総量、水溶性、不溶性)、エネルギー、他の栄養素の1年間の平均的摂取量を推定した。既往歴や生活習慣の情報は、調査票により収集した。統計解析では、食物繊維摂取量(残差法で総エネルギー摂取量を調整)の第1五分位を基準とした、第2~5五分位の多変量調整ハザード比(HR)を男女別に算出した。 平均8.8年の追跡期間中に、874例の大腸がん罹患例が同定された。男性で水溶性食物繊維摂取と大腸がん罹患が負に関連し、摂取量第2~5五分位のHR(95%信頼区間)はそれぞれ、0.95(0.73-1.24)、0.76(0.57-1.01)、0.79(0.59-1.06)、0.65(0.47-0.89) (trend p = 0.004)であった。対応する総食物繊維摂取のHRは、1.08(0.82-1.41)、0.86(0.64-1.16)、0.99(0.74-1.33)、0.74(0.53-1.02) (trend p=0.070)であった。不溶性食物繊維摂取について、あるいは女性では有意な関連を認めなかった。男性における水溶性食物繊維摂取と大腸がん罹患の負の関連は、直腸よりも結腸の方が強かった。 (注)本報告の資料は、法に基づき全国がん登録情報の提供を受け、報告者が独自に作成・加工したものである。 またコホート集団と属性が類似した中高年356名を対象に、新たな食物繊維(DF)測定法を採用した八訂日本食品標準成分表に基づくDF推定式を再開発し、交差検証法で妥当性を評価した。妥当性の相関係数は、総DF(AOAC2011.25法とProsky変法の併用成分値)では0.5を保持していたが、DFの水溶性と不溶性を区別した場合は0.2程度であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は食物繊維摂取量とがん罹患リスクの関連の検討、ならびに新たな食物繊維測定法を採用した八訂日本食品標準成分表に基づく食物繊維摂取量推定式の開発はできた。しかし、がんの遺伝的リスクの検討については、タイピングデータの整備が完了せず、実施できなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度は食物繊維摂取量とがん罹患リスクとの関連の論文作成、食物摂取頻度調査票による食物繊維摂取量推定方法の改善、およびがんの遺伝的リスク(polygenic risk score)の検討を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度、食物繊維摂取量とがん罹患リスクとの関連の論文を作成し、英文校正費および論文掲載料を支出する予定であったが、論文作成が遅れたために支出できなかった。次年度に当該論文を作成し、英文校正費および論文掲載料を支出する。
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