研究課題/領域番号 |
22K10587
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研究機関 | 公立諏訪東京理科大学 |
研究代表者 |
石井 一夫 公立諏訪東京理科大学, 工学部, 教授 (60449238)
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研究分担者 |
坂上 竜資 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 教授 (50215612)
小路 純央 久留米大学, 付置研究所, 教授 (50343695)
森本 心平 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 助教 (60822327) [辞退]
福本 義弘 久留米大学, 医学部, 教授 (70363372)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | レセプトデータ / 生活習慣病 / 精神疾患 / 歯科疾患 / 認知症 / 睡眠障害 / 在宅医療 / ポリファーマシー |
研究実績の概要 |
レセプト情報、健診データなど、日々の臨床現場における医療ドキュメントが電子化され、データベースとして蓄積されている。これら医療ビッグデータは、医療経営、医療政策、医療経済、臨床研究、創薬研究などに活用される。生活習慣病は、食事、飲酒、喫煙、運動習慣などの生活習慣の乱れにより、肥満、睡眠障害を引き起こし、高脂血症、糖尿病、高血圧などを引き起こし、腎疾患、COPD、肝疾患などを経て、脳血管障害、心疾患、認知症などに至る。その重症化は、抑うつ、せん妄、不安障害、依存症などの精神疾患が、歯周病などの歯科疾患が、関連していると考えられる。本研究では、レセプトデータなど医療ビッグデータを用いて生活習慣病におけるメンタルケア、デンタルケアの重症化指標と介護予防指針を確立することを目的とした。まず、予備的分析として、NDBオープンデータを用いて、地域差を指標に生活習慣病と精神疾患、歯科疾患との関連を調査した。その結果、うつ病などの精神疾患や歯周病などの歯科疾患と心疾患などの生活習慣病の地域局在が一致するなどの関連性が認められた。しかし、同時に医師や医療機関の偏在なども交絡因子も認められその関連性を完全に結論づけることは、困難と思われた。次に、NDBサンプリングデータセットをもちいて、生活習慣病と精神疾患の合併状況を調査した。医科入院、医科入院外、DPC、調剤の各レセプトを用いた分析を試み、うつ病、認知症、睡眠障害、依存症などの精神疾患と、心疾患、脳血管障害などの生活習慣病との合併が認められた。また、在宅医療を受けている患者では、認知症、ポリファーマシーが顕著であるなどの新知見が得られた。一方、医科入院、DPCは、医療機関によってレセプトが異なり、NDBサンプリングデータセットでは、その合併状況を完全に把握することは困難と思われた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
医療ビッグデータのデータ分析の第一段階として、NDBオープンデータ及びNDBサンプリングデータセットを入手し、生活習慣病と精神疾患の関連について、予備的検討を行った。NDBオープンデータでは、生活習慣病と精神疾患及び歯科疾患との関連について、地域差レベルでその局在が一致していることを確認し、その関連性が示された。しかし、医師や医療機関の偏在などの交絡因子も認められ、その関連性を確定することは困難と思われた。また、NDBサンプリングデータセットでは、医科入院、医科入院外、DPC、調剤レセプトを入手し、関連性評価が可能かどうかを検討した。生活習慣病と精神疾患の関連について、認知症、睡眠障害、アルコール障害などで、生活習慣病との関連がある程度認められた。しかし、医科入院とDPCデータについては、生活習慣病と精神疾患について医療機関が異なるためレセプトが異なり、その関連性の解釈には注意を要する可能性を否定できない。このため、最終的な結論は保留とせざるを得なかった。医科入院外と調剤レセプトに関しては、一定の関連性が認められ、また、在宅医療を受けている患者で、認知症患者や、ポリファーシーが多いなどの知見が得られた。今回、NDBサンプリングデータセットを用いた分析で、生活習慣病と精神疾患の関連について、ある程度の関連性が認められ、レセプトデータを用いたデータ分析で、実施可能であることが示され、今後、特別抽出やオンサイトセンターでのデータ分析の目処が着いたという点で、一定の評価ができたと考える。
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今後の研究の推進方策 |
NDBサンプリングデータセット以外の医療ビッグデータを入手し、生活習慣病と精神疾患及び歯科疾患の関連について確定的なデータを得ることを目指す。特に、生活習慣病の重症化に関し、介護や在宅医療、ポリファーマシーとの関連を詳細に調べていくことを目指していく。主な論点は以下のとおりである。 1)生活習慣病と精神疾患及び歯科疾患の関連 2)在宅医療における生活習慣病の重症化と精神疾患及び歯科疾患の関連 3)介護医療における生活習慣病の重症化と精神疾患及び歯科疾患の関連
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍のため、学会参加費として計上していた予算を使用することができなかったために、予算執行学が予定より少なくなった。
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