研究課題
2022年度は、以下のように研究を進めた。コロナ禍のため、実際に面と向かっての会合を持つのは難しかったが、ZOOMを用いてのリモート会議を複数回持ち、そこで決まった方向性に従って、その後はメールでの報告および打合せを行った。まずは、手元に有している匿名化された情報の使用に関して、関係法令などを検証し、検診受診者すべてに対して個別に使用許諾を得る必要がないことを確認した。次いで、東北医科薬科大学の倫理審査委員会に研究計画を提出し、本研究の実施に関する倫理審査委員会の承認を得た。さらに、研究計画の概要を東北医科薬科大学ホームページ上で公表する算段を行った(本研究においては、オプトアウトは必要がないことも判明している)。そこまで法令的な準備を行った後、いよいよ具体的な解析作業を開始した。傾向スコアマッチング解析に関しては、1996~2006年に一度以上胸部CT検診または胸部X線検診を受診した住民は38,139例のうち年齢・転居などでの除外例を除く、胸部CT群17,935名、胸部X線群15,548名、計33,483名の検診受診・肺癌罹患・死亡データを用いて、年齢・性・喫煙などを共変量とした傾向スコアマッチング解析を行う準備を進めている。並行して、コホート内症例対照研究(nested case-control study)のために、2013年までの死亡例を確定、死因・診断年月日を把握、原発性肺癌による死亡例「症例」に対し、性・年齢・喫煙の有無をマッチさせた「対照」を選定する準備を進めている。
2: おおむね順調に進展している
コロナ禍での研究推進に不安もあったが、ZOOMなどを活用して順調に進められている。また、匿名化情報の使用が以前よりもやりやすくなったことも、研究推進に有利に働いている。
予定に従って、順に研究を進めて行く予定である。
コロナ禍の影響で実際に会っての会議ができず、ZOOMによるリモート会議に切り替えたため、旅費や会議室の費用が不要であった。ただし、やはり実際に会っての突っ込んだ議論は必要であるため、2024年度は実際に会って討議する会議を増やす予定である。次年度使用額は、その際の交通費等に回す予定である。
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