研究課題/領域番号 |
22K10590
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研究機関 | 東北医科薬科大学 |
研究代表者 |
佐川 元保 東北医科薬科大学, 医学部, 特任教授 (70292274)
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研究分担者 |
中山 富雄 国立研究開発法人国立がん研究センター, がん対策研究所, 部長 (60501822)
福井 敬祐 関西大学, 社会安全学部, 准教授 (50760922)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 肺癌 / がん検診 / 症例対照研究 / 胸部CT検診 / 傾向スコアマッチング |
研究実績の概要 |
2023年度は、以下のように研究を進めた。コロナ禍以来定着したZoomを用いてのリモート会議を複数回持ち、そこで決まった方向性に従って、その後はメールでの報告および打合せを行った。 昨年度までに既に、匿名化された情報の使用に関する関係法令などを検証し、検診受診者すべてに対して個別に使用許諾を得る必要がないことを確認しており、東北医科薬科大学病院の倫理委員会に本研究の実施に関する承認も得ており。さらに、研究計画の概要を東北医科薬科大学ホームページ上で公表する手筈も整えた(本研究においては、オプトアウトは必要がないことも判明している)。法令的な準備を十分に行った後、本年度は解析作業を進めていった。 傾向スコアマッチング解析に関しては、1996~2006年に一度以上胸部CT検診または胸部X線検診を受診した住民は38,139例のうち年齢・転居などでの除外例を除く、胸部CT群17,935名、胸部X線群15,548名、計33,483名の検診受診・肺癌罹患・死亡データを用いて、年齢・性・喫煙などを変数とした傾向スコアマッチング解析を何種類かの仮定を置いた上で実施してみた。その結果、「施設」を変数として解析を実施した場合には、逆に大きなバイアスがかかってしまうことが判明したため、「施設」を変数として採用することは適切ではないと判断した。また、喫煙指数はカテゴリー変数ではなく連続変数として処理した方が良いと判断した。並行して、コホート内症例対照研究(nested case-control study)のために、2013年までの死亡例を確定、死因・診断年月日を把握、原発性肺癌による死亡例「症例」に対し、性・年齢・喫煙の有無をマッチさせた「対照」を選定する準備を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ZOOMを活用した打合せもかなり慣れて、効率的に研究を進められている。匿名化情報の使用がしやすくなったことも、研究実施に追い風となっている。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画に従って粛々と研究を進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染症の影響がまだ続いており、実会議・実打合せを、WEB会議・WEB打合せに切り替えて実施する場合が増えたため、会議費・交通費などが、当初予算よりも少なくできた。しかし次年度はまとめの年度なので、対面で行わなければならない打合せが増えると考えられ、そこに使用する予定である。
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