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2022 年度 実施状況報告書

血圧遠隔モニタリング管理システムを用いた震災被災者の心血管リスク低減に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K10591
研究機関自治医科大学

研究代表者

星出 聡  自治医科大学, 医学部, 教授 (90326851)

研究分担者 苅尾 七臣  自治医科大学, 医学部, 教授 (60285773)
成田 圭佑  自治医科大学, 医学部, 助教 (60912756)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2027-03-31
キーワード震災 / 血圧 / 遠隔モニタリング
研究実績の概要

本研究の目的は、東日本大震災の被災地である南三陸町に震災後から導入した血圧モニタリングシステムを利用し、これまでのデータを用いて心血管イベントリスクの変化を同定することである。本研究の対象集団は、高齢者が大半を占めている。高齢者高血圧患者において、早朝血圧及び夜間血圧の適切なコントロールに難渋することが多い。高齢者高血圧患者においては低レニン性高血圧が多いとされているが、低レニン血症が早朝血圧及び夜間血圧上昇と関連しているのではないかという仮説のもと検討を行った。対象者は、自由行動下血圧計を施行し、血漿レニン活性(PRA)及び血清アルドステロン (PAC)を測定した314名。対象者を80歳未満(n=163)と80歳以上(n=151)に層別化した。対象集団の平均年齢は、78.0歳であった。コントール不良24時間収縮期血圧(SBP)(130 mmHg以上)、日中SBP(135 mmHg以上), 夜間SBP(120 mmHg以上)、早朝SBP(135 mmHg以上)の割合は、それぞれ5.6%, 7.4%, 8.6%, 26.8%であった。80歳以上群において、重回帰分析では、対数変換後のPRA低値は、24時間SBP、日中SBP、夜間SBP、早朝SBPといずれも関連を認めた(全てP<0.01)。80歳未満群においては、これらの関係は、24時間SBP及び日中SBPのみに認めた。対数変換後のPAC低値は、80歳以上群で、24時間SBP及び日中SBPのみと関連していた。また80歳以上群で、PRA低値はコントロール不良夜間SBPに関連しており、コントロール不良24時間及び日中SBPとは関連がなかった。80歳以上の24時間血圧が良好なコントロールの高齢者において、レニン活性とアルドステロン抑制はコントロール不良早朝及び夜間血圧と関連していた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度は、これまで得られたデータの中から自由行動下血圧計及び血圧を規定するバイオマーカーの一つである、血漿レニン活性とアルドステロン値を用いて、その関連を検討した。加えて、認知機能と血圧値との関連については、データベース作成がほぼ完成しているため、今後解析をすすめる予定である。また、家庭血圧のモニタリングシステムについては、2011年以来導入していたシステムの通信方法や容量の問題などがあったため、新規のデータサーバーが導入された。

今後の研究の推進方策

次年度以降のメインとなる研究は、心房細動及び心不全の発症予測の検討である。実際のイベント発症数に結果が依存すると思われるが、なによりもイベント発症を確実に把握することが重要である。これまでも、現地の西澤医師とは月1回の定期的な本研究に関する会議を行っており、引き続き継続することにより、これらの問題を解決していく。

次年度使用額が生じた理由

予定していた学会や研究会の旅費の支出がなかったため、残金が生じた。次年度は、引き続き、研究データ収集に必要なデバイス購入や検査に必要な消耗品の購入を予定している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [学会発表] Disaster hypertensin and cardiovascular disease2022

    • 著者名/発表者名
      Satoshi Hoshide
    • 学会等名
      International Society of Hypertension 2022
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2023-12-25  

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