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2022 年度 実施状況報告書

子どもの頭蓋骨の強度及び厚さの統計学的分析

研究課題

研究課題/領域番号 22K10603
研究機関東京大学

研究代表者

鳥光 優  東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (30725015)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワード頭蓋骨 / 子ども / 厚さ / 力学的性質 / 年齢 / 日本人
研究実績の概要

本研究は事故による子どもの頭部外傷を予防するため,また法医鑑定において子どもの頭部外傷を正確に評価できるようにするために,①子どもの頭蓋骨の強度及び厚さを部位毎に評価し,比較することで,どの部位が骨折しやすいのかを明らかにすること,②年齢との相関関係を調査し,頭蓋骨の生理的成長について明らかにすること,③男女別に分けて調査し,子どもの頭蓋骨の性差について明らかにすることを目的とした。
法医解剖が行われた事例のうち,性別・年齢等が明らかである20歳未満の日本人死体42例(男性23体,女性19体)から合計170個の試料が得られた。3点曲げ試験装置を用いて曲げ荷重及び変位を求め,さらに曲げひずみと曲げ応力のグラフを作成し,ヤング率,降伏応力,最大応力を求めた。
1.5歳以下の23例では,男性46個中14個,女性40個中20個が3点曲げ試験で破断しなかった。このような現象を明らかにした報告は今回が初めてであった。
我々の過去の研究では成人の頭蓋骨の強度は男性のほうが女性よりも有意に大きいことを示したが,本研究の結果,子どもでは異なることが示された。
本研究は子どもの頭蓋骨の厚さと3つの力学的特性(ヤング率,降伏応力,最大応力)がいずれも年齢と共に対数的に増加することを示した初めての研究となった。また,子どもの頭蓋骨は就学前で特に薄く,強度が小さく,小さな外力でも骨折する危険性が高いことが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

本研究の成果をまとめ,2022年に論文を執筆し,国際誌であるForensic Science Internationalに投稿し,2023年1月に受理された。

今後の研究の推進方策

本研究の成果は得られたため,次なる研究について構想を練っているところである。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Statistical analysis of the thickness and biomechanical properties of Japanese children’s skulls2023

    • 著者名/発表者名
      Torimitsu Suguru、Nishida Yoshifumi、Takano Tachio、Yajima Daisuke、Inokuchi Go、Makino Yohsuke、Motomura Ayumi、Chiba Fumiko、Yamaguchi Rutsuko、Hoshioka Yumi、Iwase Hirotaro
    • 雑誌名

      Forensic Science International

      巻: 344 ページ: 111580~111580

    • DOI

      10.1016/j.forsciint.2023.111580

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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