研究課題
基盤研究(C)
飲酒者のホルマリン固定臓器からエタノールを検出することができた。エタノールは濃度勾配によって臓器からホルマリン液に拡散することが示唆され、十分量のホルマリン液浸漬後2週間程度で臓器中エタノール濃度は一定となりその後長期間変化しない。飲酒者では数年間ホルマリン固定された臓器からもエタノールが検出できるが、その濃度は血中エタノール濃度の約2%と著減した。ホルマリン固定臓器は飲酒の有無の判断には有用であるが、臓器中エタノール濃度から血中濃度を推定することは困難であることが明らかになった。
法医学
ホルマリン固定臓器中のエタノール濃度によって、死亡直前の飲酒の有無を判定できることを明らかにした。このことは薬物検査用試料として血液、尿、或いは未固定の臓器が保存されていない場合に、組織検査用のホルマリン固定臓器がその代替試料となる可能性を示している。本研究成果は想定していなかった薬物摂取の証明や薬物が関連した犯罪の見逃し防止に役立つものである。さらに、エチレングリコール等のエタノール以外のアルコール類や向精神薬等の薬物への応用が期待できる。