研究課題/領域番号 |
22K10652
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
土井 麻里 (阿部麻里) 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (50802386)
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研究分担者 |
村山 陵子 藤田医科大学, 社会実装看護創成研究センター, 教授 (10279854)
真田 弘美 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (50143920)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 経静脈的抗がん剤投与 / エコーアシスト穿刺 / 血管温存 |
研究実績の概要 |
これまで、末梢静脈カテーテル留置にエコーを用いることで、初回穿刺による留置成功率の向上、合併症による想定外のカテーテル抜去の低減につながることを報告してきた。特に抗がん剤投与を末梢静脈から投与を受ける患者にとって、毒性の強い薬剤による血管へのダメージを低減することで血管の温存につながる。そのためにエコーの使用が効果的である。
本研究では、看護師によるエコーを用いた末梢静脈カテーテル留置技術をなるべく速やかに導入するためのプログラム開発のために、促進要因と阻害要因の探索を行う。調査対象病棟の一時閉鎖に伴い計画の変更が余儀なくされたが、2023年度は、ロールモデルとしてすでに上述の技術を身に着けた看護師が、臨床で実際に抗がん剤投与を行う患者の静脈路確保をエコーを用いて行いつつ、成功率や想定外の抜去などのアウトカムの調査も開始した。また、すでに得られていたデータを再解析し、エコープローブをあてる前に触診を行っている看護師は、それを行わない看護師に比較して短時間で穿刺部位を選定できることが明らかとなった。更にすでに得ていたデータを二次解析し、カテーテル留置後の有害事象である硬結を予防するための血管径も明らかにした。これらの結果は、本研究で計画していた実装に反映可能であり、高い割合で技術の定着が期待できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初計画、準備を進めていた研究対象病棟(診療科)がCovid-19の影響で病棟が一時閉鎖となり、4つの病棟に再編されてしまったため(今年また元の1つの病棟に戻る予定である)
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今後の研究の推進方策 |
調査対象の病棟再編により予定を変更して進める必要があるため、2024年度は、入院患者における抗がん剤投与のための静脈路確保をエコーを用いて行った場合のアウトカム調査と、すでに得られているデータを使用して看護師側の阻害要因・促進要因の特定を明らかにすることを目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度に調査予定の病棟がCovid-19の影響を受けて一時閉鎖となったため、計画変更を余儀なくされたことが、使用額変更の理由である。今年度、病棟の再編成が予定されており、研究計画も当初のものに近づけられる予定である。
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