研究課題/領域番号 |
22K10656
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研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
勝山 愛 大阪公立大学, 大学院看護学研究科, 講師 (10933327)
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研究分担者 |
細田 泰子 大阪公立大学, 大学院看護学研究科, 教授 (00259194)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 臨床判断 / エンゲージメント / 学習活動 |
研究実績の概要 |
本研究は、新人看護師の学習活動におけるエンゲージメントが臨床判断能力に及ぼす影響と教育支援の実態を明らかにし、新人看護師の学習活動におけるエンゲージメントの活用による臨床判断能力の発展を目指す教育支援モデルを構築することを目的とする。エンゲージメントは、学習活動への意欲的な取り組みを示すものであり、学習成果に基づく評価に依存するのではなく、学習プロセスを重視するという教育の転換を求められたことから発展した概念である。エンゲージメントの高さと望ましい能力や態度の獲得との関連が明らかにされていることから、新人看護師に求められている臨床判断能力との関連を検討し、学習活動のおけるエンゲージメントを教育支援に活用できるようにする。今年度は、臨床判断能力、新人看護師への教育支援の観点から国内外の文献検討を行った。臨床判断の国内における研究は1988年から始まり、2011年より増加している。国外では、2000年にTannerが臨床判断モデルを公表しており、現在にかけて、このモデルを使用することや定義づけに活用する研究が増加している。国内では、Tannerのモデル活用や定義づけが明確に行われていない研究が多くみられた。臨床判断の教育方法は、シミュレーションが主であった。臨床判断能力の評価指標は、国外ではLasater Clinical Judgment Rubric(以下LCJR)が多く使用されている。国内では、多くが独自の評価表を用いていた。2018年にLCJR の日本語版が作成されており(細田ら,2018)、この評価表を用いることで、国内においても、国外と同じ基準で、臨床判断を評価できると考える。臨床判断の教育対象は、国内外において、学生が主であった。米国と日本の看護学生は、学習内容に差があるため、米国の看護学生への教育内容を日本の新人看護師へ活用できるか検討が必要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和4年度の計画に従い、臨床判断能力、新人看護師への教育支援の観点から国内外の文献検討を行うことができた。文献検討の結果をもとに、学習活動におけるエンゲージメント、臨床判断能力、ニーズ、支援等の内容を含む質問紙を作成するため、調査に用いる測定用具や質問項目を検討を進めている。また全国調査に向けて、倫理審査を受けるための研究計画書の作成や倫理審査に関する書類の準備を行なっている。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、学習活動におけるエンゲージメント、臨床判断能力、ニーズ、支援等の内容を含む質問紙を作成するため、調査に用いる測定用具や質問項目を作成し、全国調査を実施する。調査は、病床数200床以上の病院の新人看護師約1500名を対象に、質問紙を用いて郵送調査を実施する。データは統計学的分析と質的分析を行い、学習活動におけるエンゲージメントが臨床判断能力に及ぼす影響と新人看護師が認識する教育支援を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度は、学習活動におけるエンゲージメント、臨床判断能力、ニーズ、支援等の内容を含む質問紙を作成するため、調査に用いる測定用具や質問項目を作成し、全国調査を実施する予定である。調査は、病床数200床以上の病院の新人看護師約1500名を対象に、質問紙を用いて郵送調査を実施する。データは統計学的分析と質的分析を行う。データ入力用のパソコンと分析ソフトの購入予定のため、次年度分として請求した助成金を合わせた使用計画としている。
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