研究課題/領域番号 |
22K10659
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
八木 街子 (佐伯街子) 自治医科大学, 医学部, 非常勤講師 (60610756)
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研究分担者 |
山内 豊明 放送大学, 教養学部, 教授 (20301830)
村上 礼子 自治医科大学, 看護学部, 教授 (60320644)
益田 美津美 名古屋市立大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (60384153)
淺田 義和 自治医科大学, 医学部, 准教授 (10582588)
上原 明子 清泉女学院大学, 看護学部, 講師 (00700999)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 遠隔学習 / 看護技術 / 完全習得学習 / デザイン研究 |
研究実績の概要 |
医療の進歩や看護師の役割拡大に伴い看護技術教育の範囲は拡大している。しかし、学生数の増加や教員不足に加えてCOVID-19の影響も受け、看護技術を完全習得するまで練習する機会や評価の機会が制限されている。この問題を解決するためには、看護技術の自己学習と能力評価に着目する必要がある。本研究の目的は、看護技術の完全習得学習のための遠隔学習プログラムを開発し、評価することである。具体的には、 目的1.学習者がいつでもどこでも看護技術を自己学習し、自身の技術評価用動画を提出できる 目的2.目的1で提出された動画を評価者が視聴し、指導や評価を実施する 目的3.目的1、2の結果をもとに遠隔学習プログラムの改善を実施する である。最終的に、学習支援プログラムの費用対効果まで評価する。2022年度は、遠隔学習プログラムとして学習者が看護技術を自己学習し、その成果を録画しアップロードする機能と、アップロードされた動画を教育者が指導・評価する機能を、学習支援システムのMoodleで開発した。また、開発したプログラムの操作性、可視性、有用性に関してパイロットテストを複数回実施した。それと並行して、遠隔学習で学習する予定がある看護技術の評価指標の作成と妥当性の確認を行った。その他に、遠隔学習の実施に必要な自己調整学習能力に関連して、特に看護学生の技術習得に関する調査結果をまとめ、学会発表するとともに「Journal of Clinical Simulation Research」に論文投稿し成果を報告した。同時に、遠隔学習での看護技術獲得による患者安全面での効果に関して学会発表を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度に予定していた遠隔学習プログラムの構築と複数回のパイロットテストが終了している。本調査に必要な倫理審査も終了しており、2023年度は本調査を開始することが可能である。また、看護技術の評価に必要な評価指標の妥当性の検証も複数の看護技術に対して実施をしている。遠隔学習プログラムの操作性に関しては、学習者にとっての利便性を考慮し改善の余地があるものの、有用性の確認が取れており、2023年度は円滑に研究を継続することが可能である。以上のことから、本研究の進捗状況としては概ね順調に進展していると評価する。
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今後の研究の推進方策 |
前述の通り、2023年度は遠隔学習プログラムに対する軽度の修正を実施した上で、開発した遠隔学習プログラムを全国の看護師養成施設、助産学専攻教育施設、大学院、特定行為研修指定研修機関、医療機関等にて運用する予定である。その上で、遠隔学習プログラムの評価を、①学習者満足度(使いやすさ、見やすさなどのユーザビリティ評価、自己効力尺度、自己調整学習尺度、遠隔学習評価尺度)、②教育者による看護技術評価結果を用いて分析する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究代表者は2022年は米国に留学中であり、研究計画上購入を予定していたノート型パソコンの購入ができなかった。2023年3月に帰国したため、2023年度に予定通り購入予定である。同様に、米国在住だったことから調査に必要な交通費等が日本から移動するよりも削減されたことから、次年度使用額が発生した。
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