研究課題/領域番号 |
22K10690
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研究機関 | 城西国際大学 |
研究代表者 |
北田 素子 城西国際大学, 看護学部, 教授 (90647033)
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研究分担者 |
二宮 彩子 城西国際大学, 看護学部, 教授 (50332630)
山村 重雄 城西国際大学, 薬学部, 特任教授 (10139032)
堀 悦郎 富山大学, 学術研究部医学系, 教授 (90313600)
齋藤 やよい 秀明大学, 看護学部, 教授 (40242200) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 高齢者 / エコー / 血管径 / 怒張 / カテーテル留置 |
研究実績の概要 |
薬剤や水分・電解質の投与を目的とした末梢静脈へのカテーテル留置は、医療現場に欠くことができない。しかし、合併症により多くの患者に穿刺と抜去が繰り返されている現実がある。これまで関連要因が探求されてきているが、留置や合併症の実態には未だ不明な点が多い。本研究はエコーを用いて、どのような血管にどのような状態で留置されているのか、という1)カテーテルの留置の実態、2)穿刺技術に優れる熟練看護師の留置の特徴、3)合併症との関連を明らかにし、カテーテル留置に伴うより安全な技術・ケアを確立することを目的とした。 1)に関して、調査施設となった施設の特徴もあり、高齢者にフォーカスをおいた留置の実態が明らかとなってきた。現在91症例の分析結果から、高齢者の血管選定において、怒張の触診が可能である血管を選定した場合においても、カテーテルが留置されている血管は、日本成人と比較し細く、理想とされる血管径とカテーテル内腔の比(3:1)を考慮すると、24ゲージのカテーテルを使用した場合であっても、血管径に対してオーバーサイズとなる可能性が示唆された。また、血管径、留置部位といった留置の実態を海外の先行研究と比較すると、日本人高齢者の特徴といえるべき実態も明らかになってきた。これまで、高齢者のカテーテル留置の実態にフォーカスを置いた研究は皆無に等しく、限られている。加齢は血管や周囲組織に変化をもたらすことを考えると、カテーテル留置においても、高齢者の特徴を踏まえた技術やケアが必要となってくるだろう。国内のみならず世界で加速する高齢化を背景に、今回の研究成果は、技術・ケアの確立に向けた一歩としての意義は大きい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
過去2年コロナの影響下で調査が叶わなかったが、2022年に調査を実施。100名の患者の参加を得た。研究成果のひとつは、2023年12月の日本看護科学学会にて発表した。現在国際誌に論文(1本)を投稿中であるとともに、加えて論文1本を執筆中。次年度には国際学会への発表を予定している。
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今後の研究の推進方策 |
現有データをもとに、カテーテル留置に伴う合併症の実態について研究成果が得られる見込みがあり、分析を継続する。
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次年度使用額が生じた理由 |
調査で当初血管硬度の測定のための機器レンタルを考えていたが、臨床現場の状況や患者の負担から中止することとなり、主にレンタル費用分が繰越となった。2024年度は、国際誌への投稿にかかる費用(英文校正、雑誌掲載料)、渡航費としての使用を計画している。
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