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2023 年度 実施状況報告書

リンパ浮腫を防ぐ可能性のあるリンパ管迂回路形成の条件と機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K10702
研究機関金沢大学

研究代表者

中谷 壽男  金沢大学, 保健学系, 研究協力員 (60198124)

研究分担者 向井 加奈恵  金沢大学, 保健学系, 准教授 (30755335)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード集合リンパ管 / リンパ管迂回路 / リンパ管遮断 / 外側体壁集合リンパ管 / 傍正中腹側体壁集合リンパ管
研究実績の概要

2023年度の実験:2022年度までの実験では,外側体壁集合リンパ管の一部の流れを遮断する時に,周囲の皮膚も同時に切除して,周囲に存在する毛細リンパ管と前集合リンパ管を広く無くすることの影響を調べたが,今回はその集合リンパ管を3カ所切断または結紮すること(すなわち切断部周辺の毛細リンパ管や前集合リンパ管を多く残存させること)で,どのようなリンパ管迂回路が形成されるかを検討し,迂回路形成のメカニズムを明らかにする研究を行った.
方法:オスBalb/cマウスの外側肺壁集合リンパ管を3カ所を切断した.その後下肢の皮下にICG(インドシアニングリーン)を注入し,集合リンパ管を蛍光で描出した.切断部位でICGの流れは途絶えてリンパ管迂回路が出現するかを観察した.
結果:リンパ管の遮断が不完全で外側体壁集合リンパ管が再開通していたマウスがいた.傍正中腹側体壁集合リンパ管へつながるリンパ管迂回路が出現していたマウスがいた.再開通も迂回路も出現しないマウスもいた.
考察:傍正中腹側体壁集合リンパ管へのリンパ管迂回路の出現は実験マウスの半分くらいであり,さらに再開通も迂回路も出現しない理由が判然としない.このままの結果での論文投稿をするよりも2024年度に追加実験が必要であると考えた.ただし,マウスでは集合リンパ管の3カ所の遮断によってもリンパ管迂回路は出現する可能性が高いことが判明したことは,この研究の大きな成果である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2022年度に行った実験をまとめて論文として投稿できなかった.2023年度の実験との比較を行うことが重要と考えて,2023年度の実験と同時にまとめて2024年度に論文として投稿することにしたためである.追加実験の必要性があるためである.さらに,2023年度から新しく勤務して大学の教育などで忙殺されて,研究時間が思った以上に取られてしまったためでもある.

今後の研究の推進方策

1.2022年度と2023年度に行った実験の内容を検討し,追加実験の必要があれば実験を行い,2編の論文として投稿する予定である.
2.他の共同研究の論文を作成中であり,こちらは年度の前半で投稿できる目処がついている.

次年度使用額が生じた理由

2023年度に論文投稿ができなかったので,助成金が計画通りに使用できずに未使用の研究費が発生した.2024年度にはこの未使用の研究費も利用して実験を行い,研究成果を論文にして投稿する予定である.

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公開日: 2024-12-25  

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