研究課題/領域番号 |
22K10712
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研究機関 | 上武大学 |
研究代表者 |
箕輪 千佳 上武大学, 看護学部, 教授 (10520835)
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研究分担者 |
大西 香代子 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員教授 (00344599)
中原 純 中京大学, 現代社会学部, 准教授 (20547004)
李 孟蓉 高崎健康福祉大学, 保健医療学部, 講師 (60412988)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 看護学教育 / ジェンダーバイアス / 尺度開発 / 国際比較 |
研究実績の概要 |
本研究では、看護基礎教育におけるジェンダーバイアス尺度を開発し、ジェンダー平等が最も進んでいる国との国際比較により、日本での看護基礎教育のジェンダーバイアス解消の方策を構築することを目的としている。 本年度は、まず看護系大学の3年生以上の学部生が学んでいる中で感じているジェンダーに関連する経験と認識について、半構成的面接調査を行った。この調査は、令和4年12月に倫理委員会の承認が得られ、令和4年12月から令和5年5月まで男子学生5名、女子学生7名、合計12名を対象に対面やオンライン会議サービス Zoomで面接を行った。インタビュー時間は、22~41分(平均31分)であった。分析は録音した音声から逐語録を作成し、ジェンダーに関する経験や意識を語っている部分を1内容ごとに区切り、要約したものをコードとした。コードから内容の似通ったものを集めてサブカテゴリとし、さらに抽象度を上げてカテゴリ、コアカテゴリとし、研究グループ全員で検討した。その結果、8名までの分析で、209コードから46サブカテゴリ、14カテゴリ、4コアカテゴリが抽出され、第43回日本看護科学学会で発表する予定である。 面接調査は今後データが飽和化するまで行い、全員で質的帰納的分析を行う。すべての分析が終了した後論文化を行う。分析結果を資料として、次年度は看護教育のジェンダーバイアス尺度開発のための質問紙調査を行うため、倫理審査を受審する予定である。また、質問紙調査の資料とするために、国内外の文献を検索し取り寄せ、文献検討を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の初年度である令和4年度は、研究グループ内で研究目的と概要及び4年間のスケジュール、役割を共有した後、国内外の文献の検討と面接調査の実施及び分析を行った。ほぼ当初の予定通りに進行している。 面接調査に関しては、面接対象を、一通り領域実習を終了した3年生以上と考えていたが、倫理審査が承認されたのが12月で、4年生は看護師国家試験の準備のためすぐには応募が無く、国家試験後の2月中旬以降になりようやく本格的に応募が増え始めた。しかし、3月末までに8名の面接を行うことができ、そのデータを用いて4回にわたる研究会議で質的帰納的分析を行うことができたため、順調に進んでいると考えられる。 研究グループ全体での研究会議は、新型コロナウイルス感染症の流行もあり、実習を担当する教員も研究グループにいたため、対面で行うことができなかった。しかし、Zoomを利用したオンラインで、合計6回の会議を開催したため、特段の支障はなかった。
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今後の研究の推進方策 |
看護学生が学んでいる中で感じているジェンダーに関連する経験と認識についての半構成的面接調査は、飽和化するまで行う。すべてのデータを分析した結果と国内外の文献を資料として質問項目を検討し、仮の「看護教育のジェンダーバイアス尺度」を作成し、基準関連妥当性を検討するための尺度とともに、500名の看護学生に質問紙調査を行う。その結果を統計解析し、「看護教育のジェンダーバイアス尺度」を検討する計画である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は、新型コロナウイルス感染症の流行により、研究会議を対面ではなくすべてオンラインで行ったため会議費、旅費が発生しなかった。しかし、新型コロナウイルス感染症も収束してきており、厳密にデータ分析するために、集合して対面での研究会議を開催することが必要であり、その為の会議費、旅費に使用する。また、研究成果発表のため下関で開催する第43回日本看護科学学会の参加費、旅費に使用する予定である。
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