研究課題
本研究は、効率化や遠隔等の看護介入の多様化が進む精神科看護領域に特化した、看護職に対する認知行動療法を活用したCSTプログラムを開発し、その有効性を検証する。R4年度は病棟看護師に対しオンライン一日研修を実施した。研修内容は、患者や家族に限らず同僚や多職種とのコミュニケーションや、日常の看護業務ですぐに実践できる知識やスキルトレーニングである。コミュニケーションに関する基礎知識や、認知行動療法を活用した問題整理や目標設定、動機付けや意思決定、演習を含んでいる。講師は認知行動療法に精通している精神科医や心理士、看護職である。本研修では受講者は受講前後において、対話に関する自己効力感を問う自記式質問に回答した。解析はWilcoxon 符号付順位検定を行った。結果、14名が受講し13名より回答を得た。年齢は28.2±8.2歳、精神科経験年数が1年未満であるものが84.6%であった。対話に関する自己効力感に関し、対話を始める際に上手く言葉をかけることができる(p< .05)、相手の感情や考えを把握することができる(p< .05)、相手の「考え」を変化させるための質問を使うことができる(p< .05)、の項目が有意に増加した。研修受講により対話に関連する自己効力感が変化することが分かった。しかし、一つの施設でのみしか実施されていないことや、N数の点など、効果に関する検討には更なる改善や検討が必要とされる。
2: おおむね順調に進展している
看護研修を開発し1施設において看護職に対し研修を実施、質問紙の回答を得られた。R4年度はインタビューを実施する予定であったが、研修開発を行うメンバーに看護職がいたことや、研修を実施できる機会を得たことから、研修開発メンバーと検討を重ね研修開発と開催することをを優先させた。
R4年度の研修結果をもとに、プログラム作成関係者や精神科看護領域の看護職・専門職の意見をもとに研修内容をブラッシュアップし研修の中身を向上させる。
研修開催が一施設のみでありオンライン開催であったこと、国際学会が国内開催であったことから予定していた支出に至らなかった。
すべて 2023 2022
すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)