研究課題/領域番号 |
22K10786
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研究機関 | 岩手県立大学 |
研究代表者 |
内海 香子 岩手県立大学, 看護学部, 教授 (90261362)
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研究分担者 |
黒田 久美子 千葉大学, 大学院看護学研究院, 准教授 (20241979)
清水 安子 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (50252705)
音喜多 信博 岩手大学, 人文社会科学部, 准教授 (60329638)
及川 紳代 岩手県立大学, 看護学部, 講師 (90527433)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | マルチモビディティ / 前期高齢者 |
研究実績の概要 |
研究者会議を10月5日、3月27日、28日に開催した。 10月5日の研究者会議では、研究内容の確認と方向性の検討をした。 方向性として、当事者の視点から、①マルチモビディティと生きる前期高齢者のセルフケアの実施状況、目標、得たい支援をインタビューにより明らかにすることと、②実際に看護者が行っている支援についても看護者へのインタビューをするとよいのではないかという意見がだされ、2種のインタビューを予定することとなった。 また、①については、先行研究である「COPDを併存した糖尿病患者のセルフケア」について、再分析をすると本研究への示唆が得られると考え、3月27日、3月28日に研究者3人で再分析を行った。現在、最後の空間配置を検討中である。 並行して、マルチモビディティと生きる人へのケアコーディネーションに関する海外文献を2件精読した。現象学的手法を用いたテーマ分析をした研究で、結果は、マルチモビディティと生きる人へのケアコーディネーションを行った看護者の主要なテーマとして①「人に焦点を当てることへの課題」、②「ストーリーを聞く」、③「取り組みのための方略」、④「より大きな視点でとらえる」の4つが抽出された。またマルチモビディティと生きる人へのケアコーディネーションを行った看護者の経験に関する文献レビューでは、①「信頼に基づく関係」、②「安全と安心の感覚」、③「尊重され、ケアされている感覚」の3つがケアとして抽出されていた。これら2文献はコミュニティケアであった。アメリカ、オーストラリアでマルチモビディティと生きる人へのケアの研究が多くされていることが明らかとなったが、看護者の視点からの研究が多く、当事者の視点からセルフケアをとらえるという研究は少ないことが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当事者の視点から、①マルチモビディティと生きる前期高齢者のセルフケアの実施状況、目標、得たい支援をインタビューにより明らかにするについて、先行研究である「COPDを併存した糖尿病患者のセルフケア」について、再分析をすると本研究への示唆が得られると考え、行った再分析に時間がかかったため。
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今後の研究の推進方策 |
①マルチモビディティと生きる前期高齢者のセルフケアの実施状況、目標、得たい支援については、倫理審査申請などの準備をし、9月を目途にインタビューを行えるようにする。 ②実際に看護者が外来で行っている支援については、6月中旬に、糖尿病認定看護師にマルチモビディティと生きる前期高齢者のケアについて現在どのように考えているかや、マルチモビディティを意識したケアを実践している看護師に関する情報提供などをしてもらう予定である。また、倫理審査申請等の準備をし、9月を目途にインタビューを行えるようにする。 新型コロナウイルスの流行状況が落ち着いているようであれば、マルチモビディティと生きる人へのケアコーディネーションを行っているオーストラリアの在宅ケア施設に見学に行く。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の計画では、令和4年度にオーストラリアでのマルチモビディティケア実践プログラムを行っている施設を見学予定であったが、新型コロナウイルスの流行もあり、見合わせたため次年度使用額が生じた。 令和5年度にオーストラリアでのマルチモビディティケア実践プログラムの見学を検討しているが、文献検討とデータ収集を進め、感染状況を鑑みて決定し、研究費を有効に使用する予定。
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