研究課題/領域番号 |
22K10792
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研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
喜田 雅彦 大阪公立大学, 大学院看護学研究科, 助教 (10844227)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 脾摘後重症感染症予防 / 患者教育 / デジタル教材 / 学習支援システム |
研究実績の概要 |
2022年度は、脾臓摘出術(以下脾摘術)を行った患者背景を明らかにすることを目的として厚生労働省が公開しているNational Database(以下NDB)からデータを収集し、記述統計を行った。 2015から2019年の脾臓切除を含む手術の総件数は21931件で、手術の分類名称としては、膵体尾部腫瘍切除術(脾同時切除)、脾摘出術、腹腔鏡下脾摘出術が抽出された。年齢区分では、70から74歳、65から69歳、75から79歳の順に多い結果であった。性差で比較すると、15から50歳までは女性に多い特徴があり、55以降は男性に多い特徴がみられた。 NDBの分析結果からは、脾摘に至った原因疾患との関連を明らかにできなかったため、脾摘術の適応となる疾患の特徴を検証した。15から50歳までの女性に脾摘術が多く実施されている要因として、特発性血小板減少性紫斑病との関連が考えられた。また、55歳以降の男性に脾摘術が多く実施されている要因としては、胃がんや肝硬変に伴う門脈圧亢進症の関連が考えられた。 今後、特発性血小板減少性紫斑病によって脾摘に至った患者を研究対象者として、患者教育に活用できる学習支援システムの構築を進めていく予定であり、特発性血小板減少性紫斑病の患者会への調査協力を依頼している段階である。 患者教育用のデジタル教材の作成をする上で、感染予防行動をアウトカムとし、患者教育を介入としている先行研究の文献検討を追加で行っており、結果への期待や恐怖感や自己効力感が感染予防行動の関連因子であることを明らかにした。 今後の研究の展開として、感染予防行動に関連する因子を参考にしながら患者教育を行うプログラム案を構成し、活用可能な教材の作成や学習支援システムの選定を進めていくことが必要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度中に実施予定であった脾臓摘出術を受けた患者を対象にした健康情報に関するニーズを把握するヒアリング調査を行うことができなかったためである。2022年度、近畿圏内の新型コロナウイルス感染症患者が増加しており、共同研究者の医療機関・研究協力者が多忙となった。また、感染対策上の観点からも医療機関を通して、研究参加者をリクルートすることが難しくなったことが主な理由である。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題を今後推進するために、2023年度は脾臓摘出患者への脾摘後の健康情報に関するニーズに関してヒアリング調査を実施する予定である。また、調査結果を基に患者教育に活用できるデジタル教材の制作および学習支援システムのプロトタイプを制作する。研究協力者との評価を行い、学習支援システムに格納する教育内容について、検証する予定である。 2024年度以降は学習支援システムの利用による教育効果の評価に向けて、研究協力機関および研究参加者の募集を拡充していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
①脾臓摘出術を受けた患者(研究参加者)へのヒアリング調査が行えていないことによって、謝金や交通費の使用が少なかったこと、②研究時の介入で使用する学習支援システムに用いる患者教育用のデジタル教材の作成および学習支援システムの利用に関する経費が生じなかったことによって、次年度使用額が生じた。 2023年度に脾臓摘出術を受けた患者(研究参加者)への研究謝金、ヒアリング調査に伴う交通費、関連学会への参加費・交通費、デジタル教材作成に伴う経費、学習支援システム利用に伴う経費等に使用する計画である。
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