研究課題/領域番号 |
22K10818
|
研究機関 | 札幌保健医療大学 |
研究代表者 |
加藤 剛寿 札幌保健医療大学, 保健医療学部, 講師 (00756421)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | 2型糖尿病 / 食事療法 / ツール / 腸内細菌叢 |
研究実績の概要 |
近年、糖尿病患者は約4億6,300万人と世界的に急増しており、我が国は約950万人、予備軍を含めると約2,050万人に達している。糖尿病は血糖高値の状態が続くと合併症を引き起こすため社会問題となっており、治療法の確立が急務である。糖尿病の約95%は生活習慣の乱れが関与した2型糖尿病であり、糖尿病の治療の基本である食事療法の意義は大きい。 食事療法において、日本糖尿病学会では6つのカテゴリーから何単位の食品を摂取すると良いかを示した食品交換表の使用を推奨している。しかし、食品交換表は技術的な困難性から食事療法の実行が経時的に低下し、不十分である。 本研究の目的は健康型の腸内細菌叢解析から探索する2型糖尿病患者版「食事療法ツール」を開発することである。 糖尿病は腸内細菌叢との関連があると報告が増えている時代に即した新たなツール開発となる可能性がある。新たな視点で開発された本ツールは患者の食事療法の継続の支援につながることが期待され、社会的意義は大きいと考えている。 本研究の目的を達成するため、第1段階として、40歳以上65歳未満の健常者(非糖尿病患者)の研究協力者募集をイベントブース内でのPRやチラシ等の配布、ホームページ等でのインターネットを活用した広報、掲示等を行い実施した。現段階で約70名以上の参加協力が得られ、食事調査、腸内細菌叢組成の変動要因である運動、食習慣、ストレス、居住地、国籍などの調査を行った。また、合わせて対象者へ採便を実施してもらい、腸内細菌叢検査を実施した。現在、更なる研究協力者の調査を継続中で、全ての参加者の調査が終了次第、上記の調査結果を解析していく予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
第1段階における研究協力者は、40歳以上65歳未満でかつ、健常者(非糖尿病患者)という条件設定があるため、当初の目標である最低60名以上の参加人数確保は困難が想定されたが、最低目標人数を超える調査実施が遂行できたため。
|
今後の研究の推進方策 |
第1段階における全ての研究協力者の調査が終了した後、対象者から得られた便の腸内細菌叢解析を行い、健康型の腸内細菌叢を有する者を選定していく予定である。なお、「健康型の腸内細菌叢」の基準とする評価項目については酪酸酸性菌、多様性、2型糖尿病患者と関連する腸内細菌を検討している。 そして、第2段階では、健康型の腸内細菌叢を有する健常者の食事実態を明らかにした上で、食事療法ツールを考案していく予定である。 さらに、第3段階では、2型糖尿病患者における本ツールの有効性を明らかにしていく方向性で考えている。
|
次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由は、腸内細菌叢解析が全て完了しておらず、現在進行中であり、費用代金が解析後に支払い請求となるためである。 次年度の使用計画としては、主に腸内細菌叢解析費用、食事療法ツール作成費、郵送費である。
|