研究課題/領域番号 |
22K10839
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
吉田 靖 大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任准教授 (30532519)
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研究分担者 |
池田 学 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (60284395)
上野 高義 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (60437316)
桝田 浩禎 大阪大学, 医学部附属病院, 特任助教(常勤) (80793918)
畑 真弘 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (80816223)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | せん妄 / 心臓血管外科 / 脳波 / 予測 |
研究実績の概要 |
本年度中は、心臓血管外科術後せん妄予測機械学習モデルの構築のために、データ収集と解析、学会発表を行った。 データ収集は大阪大学医学部附属病院心臓血管外科にて行い123名の同意を得た。電子カルテと直接訪問によるデータ収集のほか、簡易脳波計"HARU-1"(PGV株式会社)にて脳波データを記録した。せん妄評価は術後7日間の追跡で、DSM-Vの診断基準に則り行った。 収集したデータは、連続変数の2値変換や、主成分分析等を用いた次元圧縮、周波数分析などを行い、予測に最適なデータ型を探索した。その後、単変量解析や機械学習的手法により複数の特徴量セットを抽出し、その各々を機械学習アルゴリズムにかけ分析した。予測モデルの評価指標にはArea Under the Receiver Operating Characteristic curveのほか、Area Under the Precision-Recall Curve、感度、特異度等を用い、より有用性の高いモデルについて協議した。データ収集はベッドサイドにてiPadを用いて行い、分析にはMacBook Pro等を使用し、これらの機器およそ60万円のほか解析手法や精神失敬疾患に関する文献、白衣等、合計90万円程度の物品費を使用した。 また心臓血管外科におけるせん妄の発生状況や、術式等で区分したサブグループにおけるモデル構築過程とその検証結果について、国内2学会(第53回日本看護学会学術集会、第87回日本循環器学会学術集会)で発表した。学会へは情報収集のため大学院生3名が同行し、当研究費よりおよそ30万円を使用した。 上記の成果として、せん妄発症患者と非発症患者における平常時脳波の周波数的特徴やせん妄リスク因子が導かれ、交差検証にて高い精度を示す予測モデルが構築された。以後、構築したモデルの更なる検証と改良を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通りにデータ収集が進行し、解析及びモデル構築も順調に進んでいると判断される。
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今後の研究の推進方策 |
引き続きデータ収集を行い、構築した予測モデルの検証と改良を行なっていく。 また、これまでは脳波データをその他の臨床データを分け、せん妄発症に関わる各々の特徴を分析し、モデル構築を行なってきた。今後はこれまでに得られた知見をもとに、脳波データとその他のデータを組み合わせた分析を行うことで、せん妄発症機序への示唆を得るとともに、より高精度の予測モデルが構築できると考える。 また術後脳波の解析を進め、せん妄患者の脳波的特徴について調べる。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度中に計画していた学術雑誌への論文投稿に関し、現在投稿中であり費用が発生していないため、この分が次年度使用額となっている。また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の渦中にあったため国際学会への参加は自粛していたため、旅費が使用予定額を大幅に下回っている。 次年度は学術雑誌への論文投稿を行うとともに、積極的に国内及び国際学会に参加し、情報収集と本研究で得られた成果の報告に努める。
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