研究課題/領域番号 |
22K10855
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
永野 みどり 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (40256376)
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研究分担者 |
富田 隆 帝京平成大学, 薬学部, 教授 (00775950)
望月 留加 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (10412991)
小原 道子 帝京平成大学, 薬学部, 教授 (20899877)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 爪障害 / がん化学療法 / がん看護 / 薬剤師 / 薬剤管理指導 / アピアランスケア / フットケア / スキンケア |
研究実績の概要 |
令和4年に本助成金の決定を受け、研究を開始した。当初、がん化学療法を受けた患者の褥瘡予防に関する病院外来での患者教育やケアに関する看護師-薬剤師共同研究を実施予定であったが、対象患者が少なく、薬剤師のかかわりも少なくて、研究対象が得られる見通しがつかなくて、研究計画の見直しを余儀なくされた。また、研究代表者の体調の問題も起こり、研究を半年以上中断した。 令和5年春より、研究代表者の体調も回復し褥瘡を同じ皮膚障害である爪障害にテーマを変えて、研究計画を練り直して、現状調査をする方針とした。大規模調査をする前に、調査項目を検討するために、インタビュー調査を実施した。10人のがん化学療法を外来で受けている爪障害のある患者の爪障害の症状、生活への影響、セルフケアの状況を聞き取った。その内容を分析し、学会発表・論文作成の準備を行った。併せて、その内容を反映させた患者用質問紙を作成した。 併行して、本研究の分担者の所属組織の附属病院および近隣病院に対し、専門看護師や認定看護師の資格を持つ外来がん化学療法室の看護師ならびにがん領域の認定・専門薬剤師の資格を持つ薬剤師を中心とした研究協力者を募った。その結果7つの病院で協力者を得て、目標300例を目標とする現状調査を実施する研究組織を構築した。令和6年には、倫理審査の承認や病院の研究実施許可の後に、本格的にデータ収集を実施して、年度中にデータの集約・分析できれば、論文作成までこぎつけることを目標に活動中である
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
がん化学療法による爪障害の生じた患者の生活を援助するための現状調査のための調査項目を得る目的で、インタビュー調査を行った。令和5年6月に所属大学の倫理委員会に申請し、9月に承認されてから、該当病院の研究実施許可申請後承認を得て、10月末からインタビューを開始した。12月までに10人の爪障害を持つ化学療法中の患者のインタビューを実施して、業者に逐語録の作成を依頼して1月までに終わった。逐語録を分析し、爪障害に対するケアの部分を分析した内容を、日本創傷オストミー失禁管理学会に演題抄録を提出して承認され、令和6年5月26日口演にて発表予定。爪障害の症状と日常生活への障害について、手の爪と足の爪に分けて、令和7年2月22・23日の日本がん看護学会で発表する為、現在抄録を準備している。 本研究チームにおいて、インタビュー内容を参考に、調査項目を検討して患者用の質問紙を作成し、診療報酬から抽出する項目、写真の撮り方なども検討した。研究代表者所属大学の附属4病院と分担者所属大学附属2病院ならびに虎の門病院の全7病院の専門看護師や認定看護師の資格を持つ外来がん化学療法室の看護師ならびにがん領域の認定・専門薬剤師の資格を持つ薬剤師を中心とした研究協力者を募り、それぞれの病院で該当患者に協力を得て、目標300例の現状調査を実施する研究組織を構成した。研究組織の構成員を研究分担者として、多施設協働研究計画書を作成して、2月に所属大学の倫理委員会に中央一括審査として申請し、令和6年5月に承認されてから、対象となる7病院の研究実施許可を得るべく申請している。並行して、Googleフォームを使った患者用の質問紙の準備並びに多施設の情報を機密性を保ちつつ共有できるiPadとiCloudを使ったクラウドシステムの準備をしている。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年5月末を目標に、調査用に設定したiPadと調査マニュアルを完成させ、対象となる7病院に配布して、研究実施許可を得られれば、早ければ6月から調査を開始予定である。2~4週ごとにデータを集約して、爪の画像の分析などを進めて行き、11月までに300例のデータ収集を目指す。遅くとも12月までにデータ収集を終えて、学会発表の手続きをしつつ、3月までに論文作成を目指している。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和4年に本助成金の決定を受けた当初、がん化学療法を受けた患者の褥瘡予防に関する病院外来での患者教育やケアに関する看護師-薬剤師共同研究を実施予定であったが、対象患者が少なく、薬剤師のかかわりも少なくて、研究対象が得られる見通しがつかなくて、研究計画の見直しを余儀なくされた。また、研究代表者の体調の問題も起こり、研究を半年以上中断したことで、研究が遅れてしまった。令和5年春より、研究代表者の体調も回復しテーマの褥瘡を同じ皮膚障害である爪障害に変えて、研究計画を練り直して、現状調査をする方針とした。調査項目の検討のためのインタビュー調査並びに、大規模調査をするための大人数の研究組織構築のために時間を要したので、本格的な調査に至らず、使用予定の予算を令和5年度には使えなかった。本格的な調査を令和6年に実施する為、繰り越された予算も使って調査を実施する予定である。
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