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2022 年度 実施状況報告書

長期入院の慢性期統合失調症者に対する音楽療法の効果に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K10859
研究機関岐阜医療科学大学

研究代表者

矢野 優  岐阜医療科学大学, 看護学部, 講師 (20596910)

研究分担者 三代澤 邦恵  岐阜医療科学大学, 看護学部, 講師 (30756672)
三上 章允  中部学院大学, 看護リハビリテーション学部, 教授 (40027503)
杉浦 浩子  岐阜医療科学大学, 看護学部, 教授 (60252152)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワード長期入院患者 / 統合失調症者 / 音楽療法 / NIRS
研究実績の概要

【目的と方法】長期入院の慢性期統合失調症者に対し、集団音楽療法による介入の効果を脳血流測定により検証することを目的とし、単科精神科病院にて、週1回60分の集団音楽療法を1年間実施した。音楽療法の活動内容は、歌唱活動、身体活動、楽器活動、音楽聴取など受動的・能動的音楽療法を組み合わせたセッション音楽療法中の参加観察と質問紙調査、脳血流、心拍、頭部の動きの測定、音楽療法後に半構造化面接調査を行った。脳血流測定(NIRS)には近赤外光脳計測装置((株)NeU社HOT-2000)を用い、左右の前頭前野の血液中の総ヘモグロビン濃度の変化量を測定し、脳活動による脳血流の変動を推定した。そして、音楽療法の各セッションと脳活動の関連性について検討を行った。
【結果】男性・女性の2病棟で22名の研究協力者のうち、1年間、継続参加したのは11名であった。音楽療法実施前・後の気分は実施後に男女ともに「気分が良くなった」と有意差を認めた。各活動内容について男女ともに「楽しい」と答えている傾向にあるが、各活動に有意差はなかった。NIRSの結果は、いずれの患者も0.5~1.5mMol程度の総ヘモグロビンの濃度に変動が見られた。特に、音楽聴取活動などリズムやメロディに注目している時には右脳のヘモグロビン濃度が増加した。また、歌唱活動や楽器演奏といった楽譜や歌詞を読んだり、タイミングに合わせて行動している時には左脳のヘモグロビン濃度が増加した。
【考察】今回のNIRSの結果から、音楽療法実施中に、左右の脳活動の変化が見られ、自覚的にも気分が良くなるという肯定的変化が見られたことから、音楽療法の継続により、認知機能の向上・意欲の喚起が期待できると考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究対象者が当初計画していた人数よりも少ないものの、同意の得られた対象者に対しては確実な実施ができているため。

今後の研究の推進方策

現在、1施設にて実施しているため、研究対象者の確保に課題がある。対象者の人数が今後確保できないようであれば、対象施設を増やすことも検討していく必要がある。

次年度使用額が生じた理由

COVID-19により、2022年度の一定期間、研究が中断したため、その間の研究者や音楽療法補助者の交通費や雇用代が支出されなかったため。2023年度はCOVID-19による研究中断は無いことと、音楽療法補助者の雇用費交通費を捻出したい為。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 長期入院の慢性期統合失調症者に対する音楽療法の効果に関する研究2023

    • 著者名/発表者名
      矢野 優
    • 学会等名
      日本健康レクリエーション学会
  • [学会発表] 長期入院の慢性期統合失調症者に対する音楽療法の効果について-脳血流からの検討-2023

    • 著者名/発表者名
      矢野 優
    • 学会等名
      日本精神保健看護学会

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公開日: 2023-12-25  

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