研究課題/領域番号 |
22K10886
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
谷口 千枝 愛知医科大学, 看護学部, 教授 (60738251)
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研究分担者 |
成定 明彦 愛知医科大学, 医学部, 講師 (20800965)
森本 直樹 愛知医科大学, 看護学部, 助教 (00805327)
伊藤 真規 愛知医科大学, 看護学部, 助教 (60885870)
鈴木 孝太 愛知医科大学, 医学部, 教授 (90402081)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 禁煙 / 急性心筋梗塞 / 喫煙率 / ヘルスビリーフモデル |
研究実績の概要 |
本年度は急性心筋梗塞と診断された患者がその診断によって喫煙行動をどのように変化させるかを評価するために,他の7種類の非感染性疾患(NCDs)の診断と喫煙率の変化を比較した。本研究では健康行動を予測するHealth Biliefモデルを用いて,重大性(病気の重症度)と罹患性(病気の喫煙との関係度)の組み合わせで4カテゴリーに分類した8種類のNCDsと診断された喫煙者13,284名を対象とした。カテゴリー1は急性心筋梗塞(AMI)と肺がん,カテゴリー2は大腸がんと胃がん,カテゴリー3は喘息と一過性脳虚血発作(TIA),カテゴリー4は虫垂炎と緑内障とした。 AMIと診断された者は970人,男性946名(97.5%),女性24名(2.4%),年齢は50歳以上が約60%を占めた。診断後1年以内の禁煙率はAMIは59.6%で他の7種類のNCDsの中で最も高く,次いで肺がん59.3%, 胃がん40.2%, 大腸がん31.8%, TIA22.6%, 喘息16.0%, 虫垂炎12.6%, 緑内障9.3%と病気の重症度が下がるに連れて禁煙率は低下した。緑内障をreferenceとしたAMIの禁煙成功オッズ比は14.8 (95%信頼区間: 12.5-17.4)であった。AMIと診断された者は診断前の禁煙の準備性が低かったとしても診断後に禁煙している者が多かったのに対し,緑内障では準備性の低い者は禁煙しなかった。AMIなどの重症度の高い疾患は患者の禁煙への関心度に関わらず一気に禁煙動機を上げることが明らかとなった。しかし,診断から年数が経過するにつれてAMIや肺がんといった重症度の高い疾患は少しずつ喫煙率が上がり,時間の経過とともにその禁煙動機が低下することが推測された。継続的に禁煙できるように看護師から退院時に声掛けすること等の重要性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初は循環器疾患に勤務する看護師にアンケート調査を行うことを考えていたが,昨今のアンケート回収率の低さから,循環器疾患を持つ対象者に対する禁煙支援の認識を質的に調査しようと計画を変更した。そのことにより,現在質的な研究の準備段階にあり,計画が遅れている現状である。しかし,全体的に評価した際に,上述した研究の論文化をし,海外雑誌に掲載されたことからも,大幅な遅れではないと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は,すでに急性心筋梗塞患者に対する看護師の認識を明らかにするために質的研究の計画書を作成した。今後は,その計画書を基に本学倫理委員会の申請を行う。加えてインタビュー調査を実施することを本年度中に予定している。 研究の目的は,循環器病棟で働く看護師の急性心筋梗塞患者に対する禁煙支援の現状とその認識を明らかにすることである。 まず,6月中に倫理委員会の申請を行い,その結果を経て現在循環器科の病棟で勤務する全国の看護師5名程度(山形,名古屋,熊本)に8月~9月の間にインタビュー調査を行う12月までの間に質的記述的に分析し,まとめる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
アンケートの実施をしなかったため,次年使用額が生じた。
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