研究課題/領域番号 |
22K10898
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
坂本 真優 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (50895711)
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研究分担者 |
河村 奈美子 (大西) 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (50344560)
尾關 祐二 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (90303768)
進藤 ゆかり 日本医療大学, 保健医療学部, 教授 (70433141)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 精神看護 / 訪問看護師 / 精神疾患 / 患者-看護師関係 |
研究実績の概要 |
現在、「精神疾患をもつ利用者のケアにおける訪問看護師の経験」の研究テーマのもと第一段階として「1)精神疾患を持つまたはメンタルヘルスケアを必要とするクライエントに対する訪問看護師の困難やニーズの抽出」について、研究を実施している。 本研究の目的は、精神科病棟における勤務経験のない訪問看護師が、精神疾患を持つクライエントのケアに携わることの経験を研究対象者のインタビューから明らかにすることである。精神科病棟における勤務経験のない訪問看護師の、精神疾患をもつ利用者のケアに携わる経験について明らかにされることは、精神科訪問看護における人材確保や人材育成の課題を同定することに繋がり、実践に即した訪問看護師に対する支援や教育に対する示唆を得られると考えている。この研究については研究者の所属する施設の倫理審査委員会に承認を得た。インタビュー実施を行い、データを取得したため、現在分析中である。本研究は、2023年12月9・10日に開催される第43回日本看護科学学会学術集会における学会発表に向け準備中である。 また、次の研究に向け、精神科病棟における勤務経験を有する訪問看護師が精神疾患を持つクライエントのケアに携わることの経験を研究対象者のインタビューから明らかにすることを予定しており、この研究についても倫理審査の承認を得ており、実施に向け準備中である。研究分担者が主催する学習会の参加者から研究参加者を募る予定である。参加者は6名を予定しており、全員が「精神科病棟における勤務経験を有する訪問看護師」という条件を満たすよう選定し、インタビュー実施に臨む。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
「精神疾患をもつ利用者のケアにおける訪問看護師の経験」について、研究分担者が主催する学習会の参加者から研究参加者を募る予定にしていた。研究参加者を6名と予定していたが、「精神科病棟における勤務経験のない訪問看護師」という条件を設けたため、予定人数の選定に時間を有した。また、研究者の勤務日程と研究参加者の勤務日程の都合が合わないこともあり、インタビュー日程の調整に時間を有し、インタビューデータの取得に予想より時間を有した。 また、学部学生や修士課程学生の指導に時間を有する事態が生じた。学部学生の卒業研究や修士課程学生の倫理審査受審に当たり、研究責任者自身も研究・指導経験が浅く指導力不足のため、教授に指導を得ながら実施をしている。そのため、本研究の実施が困難となる期間が生じた。これらの理由から、研究の進捗状況に遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
「1)精神疾患を持つまたはメンタルヘルスケアを必要とするクライエントに対する訪問看護師の困難やニーズの抽出」については、精神科病棟における勤務経験を有する訪問看護師の経験を明らかにするため、研究対象者の選定を開始しデータ収集を開始する。その後、先に明らかにした精神科病棟における勤務経験のない訪問看護師の経験の経験から、精神疾患を有するクライエントをケアする訪問看護の現状・困難・課題について、質問紙調査の作成の取り掛かる。次に、「2)在宅医療に携わる多職種のスタッフ(医師、精神保健福祉士、作業療法士、臨床心理士等)の訪問看護との連携上のニーズの抽出」については、倫理審査受審に向け準備を開始する。1)、2)の実施を行い、「3)1)及び2)から明らかとななった要素から、訪問・在宅看護において精神看護を実践する際の地域支援に貢献可能な、現場のニーズに応じた情報共有のための実用可能な具体的な仕組みやツールを提案する」ことに繋げる。 研究計画を遂行する上での課題について、研究対象者の選定やデータ収集に時間を有する等の事態が生じる可能性は考えらえる。研究分担者が企画、研究者が運営に携わる学習会参加者を通じて紹介を得る等、協力者と連携を図りながら遂行する。 学部生、大学院生の指導については、教授に相談・報告を密に行い指導を受けながら実施し、計画的に研究を遂行していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
2022年度にインタビュー等研究に関するデータ取得や学会発表のために、旅費を10万円分計上していたが、2022年度は新型コロナウイルス感染症対策を講じ、インタビューを現地で対面ではなくZoomを機能を用いオンラインで実施した。そのため、旅費が発生しなかった。また、人件費・謝金としても10万円分を計上していたが、調査がやや遅れており、謝金の発生が当初予定してた期間には少なくなってしまったことが考えられる。 2023年度は、インタビュー調査に加え、質問紙調査の実施等も予定されている。また、新型コロナウイルス感染症対策の緩和により、現地で対面によるインタビュー実施が可能になると考えられるため、謝金や旅費が必要となる。加えて、結果の公表として学会参加費用を必要とする。
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