研究課題/領域番号 |
22K10918
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研究機関 | 聖カタリナ大学 |
研究代表者 |
庄野 亜矢子 聖カタリナ大学, 看護学部, 講師 (00828270)
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研究分担者 |
白柿 綾 聖カタリナ大学, 看護学部, 准教授 (00331760)
西田 佳世 聖カタリナ大学, 看護学部, 教授 (60325412)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | モラルディストレス / Moral Distress / モラルレジリエンス / Moral Resilience / クリティカルケア看護師 / 共感疲労 / COVID-19 |
研究実績の概要 |
2023年度は、COVID-19に対応したクリティカルケア看護師10名に対して、対面または、オンラインによるインタビューを実施した。COVID-19看護の最前線において、クリティカルケア看護師が体験した様々な苦悩をモラルディストレスの視点で分析中である。本調査の結果は、2024年度中の学会発表へのエントリーを予定している。また、本調査の論文化に向けて、インタビューを受けていただける対象者を数名増やしたいと考えて依頼をかけている。 COVID-19下のモラルディストレスに関する国内文献は未だ数が少ないことから、PubMedを用いて海外文献による文献検討を行った。キーワードは“COVID-19”、“critical care nursing”、“moral distress”として文献検索し、24文献のうち12文献を選定し検討した。モラルディストレスは、看護上の制約がある中受け入れるしかない事態が生じることで身体的心理的苦痛を生じることである。COVID-19パンデミック下においてクリティカルケア看護師体験したモラルディストレスに関する記述を抜き出し、意味内容を抽出し3コアカテゴリーを導出した。COVID-19パンデミック下は様々な看護上の制約があり、クリティカルケア看護師としての信念を貫けず、患者・家族に対して最善で質が高いと思うケアを制約のためにできない、反対にしなければならないなど、受け入れるしかない判断とケアを強いられ、それはトラウマと表現されるほどの苦しみからくる心身の反応として経験されており、看護師へのメンタルヘルスケアの必要性が示唆された。 本文献検討は、2024年度中の学会発表へのエントリーを予定している。 感情労働の第一人者である専門家には、分析上の指導を継続して受けている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度に、COVID-19に対応するための教育に時間を要したことや、第6波~第8波の過重な勤務状況下において対象者へのインタビューの同意を得ることが困難であったため、研究計画が約1年遅れている。 当初、2023年度は量的研究と質的研究を同時進行する計画であったが、量的研究の調査項目を質的研究の結果から精査する目的で質的研究を先行させたため、量的研究が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、研究実績の概要に記載したモラルディストレスの海外文献検討とインタビューの分析結果を公表する。 インタビューの分析結果を踏まえ、アンケートの調査項目を精査、概念枠組みを確定し、量的研究の準備を行う。インタビューの分析結果は、論文公表を目指す。 COVID-19に下のクリティカルケア看護師のモラルレジリエンスに関する海外文献検討に取り組む。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の進行がやや遅れていることから、質問紙調査に必要な経費を繰り越したため
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