研究課題/領域番号 |
22K10922
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
平林 優子 信州大学, 学術研究院保健学系, 教授 (50228813)
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研究分担者 |
川田 悠介 信州大学, 学術研究院保健学系, 助教 (80882753)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 医療的ケア児 / 発達段階 / 社会化支援 |
研究実績の概要 |
本研究は、医療的ケアを必要としている小児(医療的ケア児)が発達過程に応じた社会化促進ができるように、医療的ケア児に関わる親や各専門職がどのように連携していけばよいかを検討し、発達過程に応じた社会化促進への多職種連携モデル構築を目的としている。 本研究の課題のひとつに、医療的ケアの子どもに関わる多職種の社会化支援の認識や支援の実際、社会化支援に関わる役割を明らかにすることを挙げている。また、研究者らの先行研究により検討した、小児の社会化における査定、プラン作成時に用いる評価指標の実用性についても前述の結果に関連させて検討することとしている。そのため、研究者の先行研究で看護職を対象に起こった面接調査により抽出された社会化支援の要素や支援方法の関連性について、発達段階や、評価指標との関連から、多職種への調査を行うための調査内容の検討作業が必要となったため、本年度はその検討を中心に行った。 先行研究において抽出された社会化の要素として抽出された【養育者を包括した社会化】【育ちと育てのなかにそもそもあるに戻す】は、発達過程全体に係るものではあるが、特に生活を養育者に依存する乳幼児の支援に強く関連すると考えられた。乳幼児期は特に評価指標の<身体的社会化>、<相互応答性・相互作用の拡大><生活集団や経験社会の変化>の一部、<満足・快の経験とその質の変化>を確認することが必要と考えられた。学童期以降では、先行研究で抽出された【子ども自身が生きるを支える】を他の社会化支援の要素の中心におくことや、評価指標では、<生活集団や経験社会の変化><自発性、関心と有能巻の獲得経験>が他の指標に加えて重要であると考えられた。各発達段階に対応する中心的な社会化の要素を検討しながら、多職種による認識や支援の実際を調査し、さらに検討していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究者らの先行研究において調査から抽出された社会化支援の要素や支援方法と評価指標の関連性について、多職種への調査のための準備として検討する時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
多職種による医療的ケア児の発達過程に応じた支援の調査を実施するが、まずは看護職について、先行研究に重ねて分析を行うため数例の面接調査を実施する。その後、医療的ケア児に関わる多職種について、各職種数例ずつの面接調査を実施する。続いて、医療的ケアが必要な子どもの親の社会化への認識と実際の働きかけ、支援環境、支援の課題について面接調査を行う。面接調査の結果から、研究者の所属地域や近隣県を中心に、社会化支援に関わる質問紙調査を実施する。 面接調査の対象の選出は、医療的ケア児の社会化支援に関わると考える各職種からの紹介によるスノーボール式、また種々の情報から適切な対象を選出する便宜的抽出法による。この調査を行いながら、研究協力者を増やし、研究組織としても多方面からの専門的視点で社会化支援のモデル構築に向けた検討が行えるようにする予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度実質の調査には使用しなかった分を、次年度は面接調査の旅費、謝金、委託費(テープ起こし)などに使用する予定である。
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