研究課題/領域番号 |
22K10924
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研究機関 | 札幌市立大学 |
研究代表者 |
牧田 靖子 札幌市立大学, 看護学部, 講師 (80833110)
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研究分担者 |
松浦 和代 札幌市立大学, 看護学部, 教授 (10161928)
中島 陽子 釧路工業高等専門学校, 創造工学科, 准教授 (20217730)
本間 宏利 釧路工業高等専門学校, 創造工学科, 教授 (80249721)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 乳児虐待 / 虐待リスク / 予測システム / AI |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、乳児虐待のリスク要因を新生児期に予測する「乳児虐待リスク予測システム(仮称)」の開発と精度検証である。研究は、①データ収集、②ICT利用によるデータ集約とデータベースシステム等の構築、③AIによる乳児虐待リスク要因の判別、④乳児虐待リスク予測システムプロトタイプの開発、⑤プロトタイプの試用と精度評価の5段階で進める。 ①、②について、データは、北海道内の周産期母子医療センター機能を有する総合病院で、対象は新生児と親に関する医療記録(件)とし、過去3年間に遡り、106項目/件を収集した。特徴量は年齢等の定量的な5項目と、夫婦関係やDV歴等の定性的な101項目とした。虐待のリスクと帰結から、00:リスク無+虐待無、10:リスク有+虐待無、01:リスク無+虐待有、11:リスク有+虐待有に分類した。 ③の段階として、システムの精度最適化に層化K分割交差検証とグリッドサーチを用いた。機械学習分類アルゴリズムとして決定木(DTC)、サポートベクターマシン(SVM)、ランダムフォレスト(RFC)を採用した。評価指標は正解率、適合率、再現率、F値(適合率と再現率の調和平均)とした。 2023年度は、1施設から181件のデータを解析した。本研究は乳児虐待の予防を目指しているため、再現率を重要な評価指標と考える。虐待の有無に対する分類精度検証から、RFCが最も相応しい機械学習エンジンの可能性が示唆された。ただし目的変数比率に偏りがあるため信頼性は低く、対象数の増加が次の課題となった。虐待リスクの有無に対する分類精度検証から、本システムの精度は充分高く、人間の行う虐待リスク判定の代替可能性が示された。この結果について、「乳児虐待リスク予測システム(仮称)の開発と精度検証―第1報―」とし、日本子ども虐待防止学会第29回学術集会(2023年11月26日)において学会発表(示説)した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍でデータ収集に遅れが生じたが、現在までに協力施設3施設の特徴量のデータ収集を終了し、解析を順調に進めている。しかし、看護師の文章の記録であるテキストデータのデータ化、匿名化に各施設でかなり時間を要し、テキストデータの解析が当初よりも遅れている状況となっている。 また、虐待の有無による目的変数比率に偏りがあるため、信頼性をあげるために、さらにデータ数を増加することが課題となっており、新たなデータ収集と解析に要する時間がかかる状況となっている。
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今後の研究の推進方策 |
虐待の有無に対する分類精度検証より、RFCが最も相応しい機械学習エンジンの可能性が示唆されたが、目的変数比率に偏りがあるため信頼性は低く、今後新たに協力施設を増加し、データ数を増加して解析する必要がある。また、現在までに得られた協力施設の看護記録からのテキストデータの分析を進めていく。 虐待の有無に対する分類精度の検証結果に関する信頼性が得られた段階で、④乳児虐待リスク予測システムプロトタイプの開発、⑤プロトタイプの試用と精度評価の段階に進めていく。 2024年度までに解析した3施設分の結果について、学会報告して等で報告していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
各施設で入力していただいたデータに空欄や共通シートの表が壊れている、といった不具合があったため、新しく繰り返しコピーしても壊れない表の作成、データの再入力、見直しを実施した。人手が足りず、人件費が発生した。
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