研究課題/領域番号 |
22K10933
|
研究機関 | 大東文化大学 |
研究代表者 |
坂口 由紀子 大東文化大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (00438855)
|
研究分担者 |
久保 恭子 (木村恭子) 東京医療保健大学, 看護学部, 教授 (10320798)
田崎 知恵子 東都大学, 沼津ヒューマンケア学部, 教授 (00389892)
宍戸 路佳 東京医療保健大学, 看護学部, 講師 (90505554)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | 難病児 / 希少疾患 / 移行期 / コーディネーター / 相談支援専門員 / ソーシャルワーカー / ムコ多糖症 |
研究実績の概要 |
日本ムコ多糖症患者家族の会の協力により、在宅難病児・者の病状が進行した時期(病状移行期)と支援の実態を明らかにすることを目的に質問調査を実施した。結果、疾患の進行が顕著になるのは思春期以降であり、平均12歳で酸素療法の導入から始まっていた。その後、平均14歳で会話困難・経管栄養、15歳頃に歩行困難・気管切開と吸引が始まっており、病状移行期が中学時代に集中していることがわかった。成人期の半数以上が重症者であり、7割が訪問看護を利用せずに在宅療養生活を送っていた。在宅療養を始める時に相談した場所や人は、地域の相談窓口(保健所2名、ソーシャルワーカー1名)よりも、かかりつけ病院(9名)が最も多かった。本疾患は毎週酵素補充療法のための通院をしている方が多いため、相談先もかかりつけ病院の主治医となる傾向があると考えられた。相談にあたって困ったこととして、「介護事業所を探すこと」「保育園を断られたこと」「かかりつけ医との連携病院」「何がわからないのかすらわからない」などの回答があり、今後必要になるであろう支援や現在希望する施設を繋いでくれるような地域のコーディネーターが不足していることが推察された。今後、面接調査により、訪問支援を利用していない方には利用しない理由、利用したくてもできていない方が求めることなどを確認し、必要な移行期支援とコーディネートにおける役割を探求していきた。同時に相談支援員への面接調査も継続し、相談を受けている専門職の考えも面接調査により明らかにする。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
質問紙調査によって病状が進行する時期の目安、受けている支援が明らかになった。相談専門員の状況は分析まで至っていないが、現在、5名の面接調査は行えているため、おおむね順調とした。
|
今後の研究の推進方策 |
他の難病においても同様の傾向があるのか調べるため、他疾患の患者会に協力依頼し、同様の質問紙調査を実施する。また、当事者及び家族への面接調査を継続実施し、相談支援員に求めるコーディネート役割を明確にしていく。同時に、相談支援員の考えるコーディネート役割が、当事者及び家族の認識との相違があるのかどうか分析していく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
感染症の蔓延により面接が予定通り進まなかったことが考えられる。次年度は感染症蔓延時を避けて面接調査を積極的に実施していく。
|