研究課題/領域番号 |
22K10933
|
研究機関 | 大東文化大学 |
研究代表者 |
坂口 由紀子 大東文化大学, スポーツ・健康科学部, 教授 (00438855)
|
研究分担者 |
久保 恭子 (木村恭子) 東京医療保健大学, 看護学部, 教授 (10320798)
田崎 知恵子 東都大学, 沼津ヒューマンケア学部, 教授 (00389892)
宍戸 路佳 東京医療保健大学, 看護学部, 准教授 (90505554)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | 難病児 / 希少疾患 / 移行期 / コーディネーター / ムコ多糖症 / MECP2重複症候群 |
研究実績の概要 |
2023年度は、実際に在宅難病児(者)を支援している専門職インタビューと施設の視察により、コーディネートの実際を調査し、在宅難病児(者)家族への面接調査も継続して実施した。同時に、2022年度の質問紙及び2023年度の面接調査で得られた結果をまとめ、学会発表(日本在宅ケア学会)および論文投稿(家族保健研究会誌、Asian Journal of Human Services)にて公表した。 専門職への面接調査によるコーディネートの実際として、緊急時は訪問看護師がコーディネートし、生活全般は相談支援専門員が多様な支援をコーディネートしていることが分かった。コーディネーターの役割限界として「相談員は一人じゃ何もできない」との語りがあり、日々の生活を支援する事業所が本人の意思の汲み取りを行い、相談支援専門員が家族の思いに寄り添い、双方が密に連携することで、子ども主体の移行期支援が成り立っていた。課題として、支援者の人材不足と制度の限界を語られていた。 家族への面接調査による必要な支援は、在宅難病児(者)への直接的な移行期支援だけでなく、親亡き後やきょうだい支援へと波及しており長期的支援の必要性が推察された。今後は、他の難病疾患患者家族会にもご協力いただき、共通する点および疾患特有になる点を明らかにしながら、引き続き、在宅難病児(者)に必要な移行期支援とコーディネーターにおける役割を探求していきたい。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度の調査分について論文投稿により調査結果が公表できたこと、専門職のインタビューと施設視察によりコーディネートの実際と課題が明らかになってきたため、おおむね順調とした。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は2023年度調査分の論文投稿を行いつつ、他の希少難病疾患においてもデータを蓄積し、結果の精度を上げていきたい。
|
次年度使用額が生じた理由 |
希少難病児という特性から、感染症を繰り返すため家族への面接調査の延期や中止が重なったためと考える。次年度も感染症対策を徹底しながら、希少難病児の体調に合わせて面接調査を実施していく。次年度は他の患者家族会でもアンケートを取らせていただき、入力作業の人件費等にも活用させていただく。
|